糸とんぼ

【2015年俳句(63)】

 

緑蔭に手押車は母支え

 

腰の曲がってしまった母は手押車が移動の助け。少しの距離も休み休みでしか行けない。

 

耳遠き母の近くへ糸とんぼ

 

陞和10年生まれの母は81歳、耳も遠くなってしまった。人は次第に老いていく。仕方のないことだけれども。