角川選書『子規の宇宙』(長谷川櫂)を読む。
正岡子規は35歳で死んだ。子規は結核で脊椎カリエスとなり、すさまじい闘病生活を余儀なくされた。
状況は『病牀六尺』に記されている。腐っていく肉体と死に直面して子規は云う。
「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事」さらりと書いてあるが、なんとも凄い。
子規は偉大な仕事を残したが、俳句は正直うまくはないと思う。
即時で眼前の物を俳句にした。写生の手法を唱えた子規の俳句の大半は、対象をそのまま句にしたような感想となる。
行く秋の我に神無し仏無し
明治28年の子規の句。「感あり」の前書きあり。