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木田千女

木田千女の名前を知ったのは、大岡信の「折々のうた」で

 

おぼろ夜のうどんにきつね・たぬきかな

 

が紹介されていて、おもしろいなあと思ったのが最初の出会い。作者は大正13年生まれ、90歳を超えた。句集『初鏡』の句群には、戦争の記憶、死にかけている病気療養中の夫、哀切な思いが俳句ににじむ。ユーモアをまぶし本音ももらし、一途で勝気な千女という人がくっきり見えて、好きだなあ。

 

点滴はわたしの涙春灯

病む夫を叱りて悔いて年は逝く

初鏡うしろ亡き夫通りけり

 

『初鏡』より3句。