渡邊白泉

『疾走する俳句 白泉句集を読む』(中村裕春陽堂)を読む。渡邊白泉は新興俳句を代表する俳人、「戦争が廊下の奥に立ってゐた」の句はあまりに有名。

白泉といえば戦争がすぐに連想され、詠まれた俳句の衝撃力は他の追随を許さないものがある。生涯を通じての俳句を読むと、新な表現の可能性を追求した白泉の孤独な魂の彷徨と屈折した心象風景が伺える。昭和44年、脳溢血で55歳の生涯を終えた。

 

おらは此のしっぽのとれた蜥蜴づら

 

渡邊白泉の句。