天の川銀河発電所

アマゾンから『天の川銀河発電所』(佐藤文香編著、左右社)が届く。佐藤文香が最近積極的に活動している。この本現代俳句ガイドブックと銘打たれているが『新撰21』のメンバーに活躍中の40代までの俳人を加えた俳句アンソロジー。俳句の多面性を表示して、俳句に新たな読者を呼び込みたいとしてつくられている。

俳句界は高齢者があふれており、若い世代の俳句を取り上げたいという気持ちと、単に俳句として成立しているがキレイなだけの俳句は排除したい趣旨はよくわかる。

ただ気になるのは、歪んだ表現を新しいとして追及していないか、秀句もあるが奇をてらっているとしか思えない俳句が多い。またそうした俳句を選ぶ編者の責任はある。「おもしろい」「かっこいい」「かわいい」のコンセプトで編集されているが、しっくりこないのは俳句表現のゆきづまりの表れか。最後の「収録作家分布図」のようなレッテル貼りは、多様な表現を追求する作家たちの意図に反する無用なものであろう。

 

てざわりがあじさいをばらばらに知る

 

一番最初に掲載されている、福田若之の句。