『藤沢周平句集』  

文春文庫『藤沢周平句集』を購入。藤沢周平の小説でおなじみの海坂藩は、百合山羽公、相生垣瓜人が主宰した俳句結社「海坂」に由来すると初めて知る。

藤沢周平の句作期間は短く、「馬酔木」に投句していた。自然詠の句が大半であるが、それ以外を対象とした五句を抜いてみた。


龍膽(リンドウ)や人體模型かしぎ立つ


日の砂州の獣骨白し秋の川


熔接工高きが霜夜火をこぼす


眠らざる鬼仰ぎみる冬銀河


春昼の不在の電話鳴りてやむ