他選

『俳句』11月号に、高野ムツオが第一句集を出すときに、金子兜太と佐藤鬼房に選句してもらったら、まるで異なり途方にくれたとの文章が掲載されている。同号の角川俳句賞の審査結果を見ても審査員が推す作品はバラバラ。17音の短詩に絶対的な序列はつかないのである。

俳句にはいやおうなしにその人自身が現われる。作句の姿勢に芯が通せればいいのではないか。他人の評価は評価として、自分が納得いくかどうかが大事と思う。

 

秋空につぶてのごとき一羽かな

 

杉田久女の句。