桂信子

桂信子は、私の最も敬愛する女性俳人。彼女の俳句の持つ凛とした姿勢、平明な中に潜む深い抒情が、何度読んでも新鮮な感動を呼ぶ。彼女の故郷は岐阜県長良川沿いというのも親近感がわく。

宇多喜代子の『この世佳し—桂信子の百句』(ふらんす堂)を読了。桂信子という人の人生が、俳句と共によくわかる。人徳なのだろう、桂信子はよき信奉者を得た。女性俳人のパイオニアとして、後進の女性たちに道を開いた功績は大きい。

 

青空や花は咲くことのみ思ひ

 

平成8年の句。桂信子は桜を好んだ。