右城暮石

右城暮石の俳句が好きである。派手さはないが生活がそこにはある。俳句は生きる者の伴奏であるということをこの人の俳句を読むと思う。

昨年『右城暮石の百句』(ふらんす堂)を弟子の茨木和生が上梓したので読みました。暮石(ぼせき)の俳号は、高知県長岡郡本山町字吉田小字暮石(くれいし)に由来すると知る。墓石は14歳で高知市に出、19歳大阪に移る。そして平成5年に再び故郷へと戻り居住するのである。幼くして家を出た墓石に、望郷の思いは強くあったのだろう。

 

短夜の土手の穂草は吹かれをり

 

大正9年、墓石の「朝日俳壇」の初入選句。