南風集 自作(3)

多作多捨が大事という。多作というほど作句できず、いつも投句するのに四苦八苦。

2016年6月号から8月号。

 

これきりと花投げ入れて二月尽

遺影のみ笑ひ顔なり山椿

水仙に頭をあてて犬通る

 

春の海猫ゆつくりと降りてくる

桜餅一つは君に取つておく

花曇心音未だ定まらず

 

ヒヤシンスさらに強まる雨の音

胸元を大きく広げ夏来る

カモシカも通る道なり青時雨