南風集 自作(7)

なめらかに言葉が紡がれていく時がある。言葉が啓示の如く突然現れる時がある。だから俳句は面白い。


春の星三々五々と燈火消ゆ

後ろより人現れぬ梅真白

雛納めジャズを流して日曜日

 

かの空の一点となりつばくらめ

新学期煌々として夜の塾

とりたての土筆少々朝の膳

 

若葉風啄みやめぬ雀たち

立葵髪なびかせて女学生

グランドに人影のなし薄暑光

百日紅何して遊ぶ誰誘ふ