南風集 自作(8)

俳句は庶民の文芸。十七文字でとことん遊びたいと思う。俳句の懐は深い。

 

梅雨寒や水滴走るガラス窓

水すましかけあがりたる空の上

流れ星信州上田の無言館

 

かき氷美しきもの崩しゆく

山百合の花立ち上がりわが故郷

夕焼空追ひかけ走る海岸線

 

たちまちに入道雲は空を埋め

二階より高きところを赤蜻蛉

白鷺の羽をたたみし青田かな