待合所で

母の施設の担当医から呼び出しを受け病院へ行く。待合所で待っていると、別の診察室の前で待っている女性の親子 の会話が聞こえてくる。車椅子に乗る母親は90歳を超えているらしい。「もう畑仕事もできんし、早く死にたいわ」娘が「何言っとるの。早く死にたいというのが、年よりの三大口癖らしいで。」「お腹減ったわ、お昼ご飯まだ食べてない」今度は食事の話。年より相手の話はこんなもの、うちの母も似たようなもの。健康寿命を超えてしまえば、あとは人のお世話になるばかり。寿命はコントロールできないから仕方がないが。長生きが幸福とは必ずしも言い切れない。

 

此秋は何で年よる雲に鳥

 

松尾芭蕉の句。