『相互批評の試み』

岸本尚毅のファンなので最新刊『相互批評の試み』(ふらんす堂)を買い、読了する。2012年に『俳句』に掲載された、岸本尚毅と宇井十間の往復書簡形式の俳句評論。正直なぜこんなものを6年もたって本にするのかわからない。岸本に対して身構えた宇井の空疎でおちつかない発言は、対処する岸本も困っただろうなと思う。「思想詩」だとか「俳句の多言語化」だとか「俳句は演劇」とか、自分勝手に定義して楽しんでいてください。あと10年もしたら作者は焚書したくなるのでは。

 

あきかぜのふきぬけゆくや人の中

 

久保田万太郎の句。