一物仕立て

『平成秀句選集』(平成19年)を手に入れて、頁をめくると巻頭随想で片山由美子が「「取り合わせ」か「一物仕立て」か」のタイトルで、会員である『南風』の津田恵理子主宰を一物派の有力作家登場と言って紹介していた。第一句集『和音』は本当に一物仕立てのいい句が並んでいる。片山の言うように、一物仕立ては季語が主題となるため類想に陥りやすい。句を成功させるためには、「取り合わせ」以上に発想の飛躍が要求されるが、そこが面白いのである。未知の扉を開けにいきたい。

 

たくさんの吾が生まるるしやぼん玉

 

津田絵理子主宰の句。