阿波野青畝

好きな俳人の筆頭は、阿波野青畝。
午前4時に眼が覚めてしまったので、佐久間慧子の『青畝俳句散歩』(文學の森)を読み出す。
阿波野青畝の俳句は、なんというか慈味がある。俳句のなかに悲喜こもごもが何もかも溶け込んで、鮮やかな文字となってたち現れてくるのである。句を読んでいると、気分が良くなっていく。初期の『萬両』『國原』が素晴らしいが、後半の自由自在な句も楽しい。


蓑虫の此奴は萩の花衣

風花のちりつつ月は十五日

出刃を呑むぞと鮟鱇は笑ひけり


阿波野青畝3句。