『鷹羽狩行の百句』

ふらんす堂の『鷹羽狩行の百句』が届く。
鷹羽狩行の俳句は、言葉がリズムよく自由自在に使いこなされ、これぞ文芸というに相応しい。取り合わせでなく、見たものに新しく意味を見いだしていこうとする意思が反映された、端正な句の姿に魅了される。
主宰誌「狩」もたたみ、終活に入ったか。昭和5年生まれだから89歳、19、20と数字入りのタイトル句集が出ることを期待しよう。



落椿われならば急流へ落つ

空蝉のなほ苦しみを負ふかたち

人の世に花を絶やさず返り花

狩行の3句。