福島十五句

旅の思い出、十五句。


ふたたびの修学旅行夏はじめ

聖五月風渡りゆく五色沼

水底の青密やかに新樹光

孫、介護話途切れず夏木立

緑陰にむつみあひしや鯉二匹

膝かばふ齢となりぬ著莪の花

赤べこの首揺れてをり夏の空

岩風呂の湯の香ほのかに洗ひ髪

その昔少女の浴衣ならびけり

年金はいつからもらふ夏料理

担任の師の名出てこず夏の夜

サングラス白内障は視野にあり

青時雨隊士の名前続きけり

南風海遠かりしさざえ堂

青芒会津士魂の城址かな