ダチかん

榎本好宏の『森澄雄 初期の秀吟』を読んでいたら、若いころ森澄雄は短編小説を書いて、友人に批判され「やっぱりダチかんなァ」と答えたとある。森澄雄も「ダチかん」という言葉を使うのかと思ったが、でも森は九州人ではなかったかしらんとの疑問がわく。どうも当時の森は、高山市出身の作家滝井孝作に心酔していたらしい。

中部地方では、ダチカンといったら、「 駄目だ」とか、「いけない」という意味である。  ダチカンのもとの形は、「らちが明かん」である。

 

除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり

 

森澄雄の句。