平田弘史

平田弘史といえば時代劇漫画の巨匠。コンビニで「平田弘史時代劇傑作線 義士不屈」という雑誌が売られてをり、伝説のデビュー作品「愛憎必殺剣」完全収録とある。「愛憎必殺剣」は1958年に漫画雑誌『魔像』に掲載された。表紙も入れて15頁、平田はこれをわずか一晩で書き上げたという。絵のタッチは線に丸みがあり手塚治虫や初期の白土三平に似ていて、後年のリアルなごつごつした画風とは異なる。ストーリーは仇討ちを題材にして意外な展開が読ませる。1958年は私が生まれた年だから、六十年以上を延々と時代劇を描き続け、今も現役で先端を走り続けていることには頭が下がる。

 

桐一䈎おのれを打ちて落ちにけり

 

鷹羽狩行の句。