林真理子『成熟スイッチ』

林真理子は若い頃『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を面白く読んだ思い出がある。エッセイから小説に移り直木賞を受賞して、人気作家となる。最近では不祥事の続いた日大理事を引き受けたのがニュースとなった。

『成熟スイッチ』は、言ってみれば自慢話に過ぎない。若い頃は滅茶苦茶だったが、歳をとりそれなりに落ち着きました、頑張ってきたんだ私という内容。物書きという特殊な業界で生き残ったのだから、自慢話も読み応えはある。いつも思うのだが一芸に秀でた人は、異常ではなく、過剰なのだ。その過剰さが、そこまでやるというぐらいのもので普通人は追随できないのである。林真理子の場合は、それが「書く」ことであり、小説家の仕事が彼女の過剰さにピタリとはまったということなのだろう。

 

曇り空

本日は岐阜市で開催の「美殿町本通り」に行く予定だったが、雨天で縮小開催となり、BookMarketは中止となったため取り止め。冬用タイヤにタイヤガーデンで交換してもらう。

空模様は曇り空で雨が降りそうで降らない愚図ついた天気の一日となった。寝室で読書していたが、昼から出かけて、恵那市三洋堂書店ブックオフを回る。ポリーニのCDを2枚買って帰宅。今ポリーニがマイブームである。

何かしたわけではないが、夕方から心臓がドキドキする。今日はもう早く寝よう。

 

冬初め胸高なりし不整脈

クリーニング店の倒産

夜7時過ぎに電話があり、受話器をとるとクリーニング店からで、会社が倒産したので、品物を20日までに引き取りに来てほしいとのこと。寝耳に水のニュースである。スーパーのバロー内に出店している「はりぶん」を使っているのだが、前売りされたクリーニングチケットがまだ沢山残っている。「はりぶん」は多治見市本社で60店舗ほど多店舗展開していた。最近店舗統合や、包装ビニール袋のランクダウンなどコストダウンに努めていたが、倒産の前ぶれだったのか。

コロナ禍で一番店舗を減らしたのはクリーニング業界である。大手も中小も苦しい経営を強いられていたが、近年の物価上昇がコスト増の追い打ちをかけたのだろう。はりぶんにはシングルマザーの従業員も多いと聞く。倒産は、つらい話にしかならない。

友岡子郷

友岡子郷の訃報記事が中日新聞に掲載されている。88歳、老衰のため逝去。友岡子郷は波多野爽波、飯田龍太に師事。「椰子」代表。以下の三句は私の心をとらえて離さない。

 

 跳箱の突き手一瞬冬が来る

 

鮮やかな世界の転換が印象鮮明。

 

 倒・裂・破・崩・礫の街寒雀

 

阪神淡路大震災を詠んだ句。

 

 ただひとりにも波は来る花ゑんど

 

三重県安乗(あのり)岬で詠んだ句。弧愁と自然の営為、エンドウ豆の白い花。

合掌。

『俳句がよくわかる文法講座』

俳句だけだろう、今だに旧かな使いで文語が使われているのは。見よう見まねで俳句を作り初めたころは、かな使いも新旧混合で無茶苦茶だったが、今は旧かな使いで作っている。普段旧かなは使わないので、句集を作る際には、正しいかな使いか多いに迷うことになる。文語文法の本も結構出ていて何冊か所有している。ジュンク堂で『俳句がよくわかる文法講座』(文学通信)を手にして、例句が最近の俳句が沢山使われていて、面白そうだったので購入。これは大当たりであった。解説がわかりやすくて、問題がどこにあるのか的確に教えてくれる。なるほどこういうことかと、迷妄が開かれていく快感があり、読書の喜びが体験できる。俳句を詠む人の立場から書かれた好著である。著者は、井上泰至と堀切克洋。

 

かなづかひとは揺れてゐる吾亦紅

 

西野文代の句。

愛知県誕生150年

金山駅に張り出されたポスターに「愛知県誕生150年」とある。明治5年に愛知県が誕生して11月に150年を迎えるとのこと。

愛知県の愛知っていい名前だとかねてから思っていた。「愛知」とは「哲学」を意味しますよね。

愛知県のホームページに愛知県の由来が載せてある。

 

 「あいち」の地名は、万葉集巻三の高市黒人の歌「桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟(あゆちがた)潮干にけらし鶴鳴き渡る」に詠まれている、「年魚市潟(あゆちがた)」の「あゆち」が「あいち」に転じたと言われています。
 廃藩置県後、県庁が愛知郡の名古屋城内に置かれたところから県名に採用されました。

 

息白し愛知の人は名古屋弁