木の葉髪

「木の葉髪」という季語がある。冬の抜け毛を落葉にたとえていうものであり冬の季語。人間の髪の毛は、季節によって抜ける量が異なるわけではないが、初冬の落葉が盛んな頃には、抜け毛を意識するからであろう。冬のわびしさが老いの実感をさらに強める。同窓会へいっても頭髪がみな淋しくなっていく。自分も白髪交じりとなり、髪質も柔らかくなって、額はどんどん広がっていく。まあ、そんな歳なのだ。

 

よき櫛の我が身と古りぬ木の葉髪

 

松本たかしの句。