小林信彦『生還』

小林信彦の『生還』という本を読んでいる。小林は84歳まで病気知らずだったが、脳梗塞で倒れ入院、リハビリしていったん家に帰るが転倒して大腿部骨折で入院。リハビリ後帰宅するも、二回目の大腿部骨折で再入院。まさに悪夢のような半死半生の日々がつづられている。

わが母も一度も入院したことのない頑健な人だったが、肺気腫で入院してそのまま車椅子生活となった。入院したのは83才の歳である。

機械でも肉体でも、消耗しやがて活動が止まるのである。突然に健康体を襲うアクシデント。私個人の実感としては、70まで生きられるなら幸せ、80歳に届けば僥倖、それ以上はわからない。

 

水音の落ち込んでゆく木下闇

 

今井つる女の句。