吉田秋生『詩歌川百景』

またもマンガネタで申し訳ないが、好きなものはどうしようもない。やらなければならないことがあると、その反動で逃避するようにマンガを読みふけってしまう。本屋で見つけたのが、吉田秋生の最新作『詩歌川百景』第1巻。10月9日の発売だが、全然知らなかった。前作『海街diary』が終了したのは残念だったが、また吉田秋生の新作が読めるのは嬉しい。しかも『海街diary』に登場する浅野すずの義理の弟・飯田和樹が主人公である。東北の小さな温泉町・河鹿沢温泉を舞台に、また群像劇が展開する予感。読みだした最初から吉田ワールドにはまっていく。吉田秋生が描く女主人公の眼は、意思的できりりとしていて魅力的だ。ただマンガのタイトル「詩歌川」は押しつけがましくていただけない。損していると思うのは私だけか。現在、「月刊flowers」(小学館)で連載中。


冬紅葉冬のひかりをあつめけり


久保田万太郎の句。