句集『稲津』(22)扇風機

【句集『稲津』(22)】

知らぬ人通りて行きぬ夕端居


家の前は道路。田舎道とはいえ、通行人はいる。ご近所の知った顔もあれば、どこの誰かわからない人も歩いてゆく。目の前を通過していく数多の人と時間。


扇風機首つかまれて出番なり


本句集を発表して、一番話のネタに取り上げてもらうこと多かった句。「首つかまれて」と扇風機を生き物のように見立てた。
夏の季節到来、さあ働きましょうと物置から運び出された。