句集『稲津』(33)運動会

【句集『稲津』(33)】

白線の真直ぐに延び運動会


運動会のメインは走る競技。グランドに石灰でコースを白線で示される。50メートルや100メートルの距離を全力疾走する。足が遅かったので、運動会の主役にはなれなかった。


秒針の音を消したり虫の声


家の周りは畑と田んぼ。秋には虫の大合唱となる。壁に掛けてある時計の秒針の鳴る男も虫の音にかき消されてしまう。自然の中で暮らしていると、人間も様々な生命の営みのひとつにすぎないと思う。