村木道彦

名古屋の鶴舞にある山星書店で『村木道彦歌集』(国文社、1979年初版)を見つける。この間、岐阜市の徒然舎で『存在の夏』に出くわしたばかり。古本巡りは、こうした思わぬ出会いが、心ときめかすのである。俵万智など後進に強い影響を与えた、切れのよい艶のある短歌が並んでいる。昼飯の順番待ちをしながら一気に読んでしまった。
そしてこの後、丸善斉藤斎藤の新刊『人の道、死ぬと町(新装版)』(短歌研究社)も手にする。満足の一日。


めをほそめみるものなべてあやうきか あやうし緋色の一脚の椅子


「緋の椅子」より。