句集『稲津』(59)入道雲

【句集『稲津』(59)】

百日紅愉しき時は短くて


百日紅を庭木として植えている家が多い。百日紅の開花期間は普通の花に比べれば長いのだが、楽しんでいる時間はあっと言う間に過ぎてしまう。永遠の時間は無い。


入道雲光の中に立ち上がる


夏の空に入道雲が湧き上がり雄大な姿を見せている。太陽の光が入道雲を照らせば、反射した雲の輪郭が立ち上がるかのように空に描かれ神々しいほどである。