句集『稲津』(74)揚羽蝶

【句集『稲津』(74)】

揚羽蝶空気の先へ止まらんと


揚羽蝶がゆらゆらと飛んでいる。空気には先っぽがあって、そこに止まろうと機会を伺っているのかもしれない。『俳句』星野高士選者で佳作に入選。


葱坊主つぎつぎ風は吹いてくる


畑に植えられた葱が丸い胞子をつけている。突っ立つ葱に、風は挨拶をして去っていく。入れかわり立ちかわり風はやってくる。葱坊主が目印のように。