句集『稲津』(137)啄木忌

【句集『稲津』(137)】

風に飛ぶ原稿用紙啄木忌


窓際に置いた原稿が、開けた窓から入る風に飛ばされて散乱した。一枚一枚拾い集める。原稿は進まず、頬杖をついて物思いにふける。


頬骨の輪郭あらは夏きざす


夏痩せなのか、顔の頬骨がはっきりわかる。この頃は痩せることがあったのかと思う。以降は新陳代謝機能が低下し、体重は増加の一途を辿った。