尾崎紅葉

尾崎紅葉で連想するのは『金色夜叉』の作者ということぐらいか。もう金色夜叉がどんな話なのかも知らない。硯友社の親玉だった紅葉が俳句を作っていたことは知っているが、その作品となると、知らない人がほとんどだろう。


星既に秋の眼をひらきけり


立秋の頃の星空を詠んで、微妙な季節の移ろいを感じさせる。ちょっといいじゃないか。明治の人の詩心に触れた気がする。この句は、大岡信の『折々のうた』で紹介されたもの。