『俳句がよくわかる文法講座』

俳句だけだろう、今だに旧かな使いで文語が使われているのは。見よう見まねで俳句を作り初めたころは、かな使いも新旧混合で無茶苦茶だったが、今は旧かな使いで作っている。普段旧かなは使わないので、句集を作る際には、正しいかな使いか多いに迷うことになる。文語文法の本も結構出ていて何冊か所有している。ジュンク堂で『俳句がよくわかる文法講座』(文学通信)を手にして、例句が最近の俳句が沢山使われていて、面白そうだったので購入。これは大当たりであった。解説がわかりやすくて、問題がどこにあるのか的確に教えてくれる。なるほどこういうことかと、迷妄が開かれていく快感があり、読書の喜びが体験できる。俳句を詠む人の立場から書かれた好著である。著者は、井上泰至と堀切克洋。

 

かなづかひとは揺れてゐる吾亦紅

 

西野文代の句。