市田柿

去年は富有柿を毎日のように食べていたが、シーズンも終わりスーパーの店頭にも並ばなくなった。最近はもっぱら干し柿である市田柿を食べている。「市田柿」というのは現在の下伊那郡高森町の市田地域で栽培されていたことから名前のついた渋柿の品種名で、これを干し柿にしたものも「市田柿」と呼んでいる。市田柿は一口大で食べやすく、果肉を白い粉が覆い、もっちりとした食感と上品な甘味があるのが特徴。干し柿は保存食で農家は、どの家も柿を植えて、冬場は軒先に干し柿が並べてあった。わが家も母親までは干し柿を作っていたが、甘い菓子も手軽に買える現代では子供も喜んで食べなくなったので、柿も収獲さえしなくなり放置されている。それでも私は干し柿が好きだし、食べるなら市田柿なのである。

 

 

干柿や日に日に黒くまた甘く