俳句仕立 ゴドーを待ちながら

大学時代は、演劇に夢中だった。
小劇場演劇が盛んで、「つかこうへい事務所」は満員、野田秀樹の「夢の遊眠社」が人気になりだした頃である。

サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』は、不条理演劇の最高傑作。世界各地で何度も上演され、白水社の翻訳本は新装版で今も売られている。翻訳者は安堂信也と高橋康也、どちらも亡くなった。

俳句を作り始めた一番最初の頃の、季語の勉強を兼ねて作った習作です。2回に分けて紹介します。



ベケットや生欠伸してくさめして

翻訳者二人影なし隙間風

<第一幕>
田舎道。一本の木。夕暮れ。

エストラゴン呵呵大笑す御開帳

枯木道俺も名はありヴラジーミル

初仕事脱げない靴に苛立ちぬ

口癖はどうにもならん更衣

膝小僧破れしままに日向ぼこ

待ちぼうけ宵待草は見あたらず

夏枯れやぼやきたわ言エトセトラ

くるくると思いふくらみ白夜かな

繰り返しまた繰り返し月今宵

決め台詞いくか行こうと木の葉髪



Y女子より投句メールあり。これで全員から投句をもらった。選句メール発信の準備をする。