2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧
【2014年(122)】 「水鉄砲胸のあたりを濡らすかな」 水鉄砲、夏の遊びの一つ。胸元に狙い定めて。 「相寄りて花火の照らす黒子あり」 花火、夏の遊びの代表格。闇に照らし出されるもの色々。静かな美しい時間。
【2014年(121)】 「風呂洗い壁も磨いたよし麦酒」 風呂掃除終了、あとは飲むだけ。 「噴水の反復の日々上下に」 噴水の日常、同じ作業の繰り返し。 携帯句会は、H女史より投句。ありがとう。
【2014年(120)】 「青大将長きその身をもて余す」 蛇の姿も見ることが少なくなった。 「昼寝する心地よき風顔なぜて」 昼寝。この世の極楽。
【2014年(119)】 「笹舟の行方は知らず天の川」 子供の頃、笹舟を作って小川に走らせた。あの笹舟は、何処へいったのだろう。 「蟻走るコンビニの大駐車場」 最近のコンビニの駐車場はとにかく大きく広い。蟻にとっては尚更である。だから、蟻は走るのだ。…
角川の『俳句』2014年12月号に 「黒板に消し忘れあり大西日」 の句が佳作入選。選者は星野高士、伊藤敬子の2名。先月に続いての佳作入選、嬉しい限り。
【2014年(118)】 「神領や百合の群れ咲くレール脇」 JR中央線の神領駅は、車輌基地のある駅。レールの脇には沢山の百合が咲く。神領(じんりょう)の地名は、神様の領地を意味する。大昔、神官のみが住む地であったという。 「鬼がいて姫の姿も百合の花」 …
【2014年(117)】 「山百合の花は一途に頑なに」 「山百合の俯いて咲く真昼かな」 山百合は家の周りでよく見かける花。野に咲く花では、一番大きな花かもしれない。 香嵐渓に紅葉を見に行った。足助の町並は昭和の風情。
【2014年(116)】 「同窓会名前呼び捨て麦酒つぐ」 名前を呼び捨てできるのは、家族か学校の同窓会ぐらいだろう。利害関係のない同窓会の集まりは楽しい。 「水虫や挨拶なしに姿消え」 夏がくると必ずやってくる水虫。いつの間にかいなくなっている。おい、…
【2014年(115)」 「大黒も笑うしかない油照」 暑い日は耐えるしかない。祀られている大黒様は、いつでも笑い顔。笑うしか仕方がないのである。 「暑き日を人波となり名古屋駅」 名古屋はとにかく暑い街。波ではあるが人波は、涼を呼ばない。高い気温にうん…
【2014年(114)】 「終戦日日の丸にある赤い色」 「八月の十五日より戦無く」 1970年、子供の時に流行り、よく歌ったジローズ『戦争を知らない子供たち』(作詞・北山修、作曲・杉田二郎)。いまやその世代も老人に。
【2014年(113)】 「戦争の後ろか前か蝉時雨」 永く戦後という視点は続いているが、遠い未来から見たら只今現在は、戦後戦前どちらで語られるのだろう。 「夕焼けの背に押し寄せる昔かな」 夕焼けは回想の起爆装置。昔のことが波のように押し寄せる。
【2014年(112)】 「七夕の浴衣が帰る終電車」 「七夕や雨に濡らして祭髪」 故郷、瑞浪市の七夕祭りは8月の初め。バサラ踊りが名物。
【2014年(111)】 「向こうから野分が来ると白き鷺」 「野分来てあまねく揺らし叩きけり」 野分を詠んで2句。最近は天災の被害が大きくなっている。台風が来ても無事過ぎ去ることを祈るのみ。 『現代俳句100人20句』(邑書林、平成16年)を読み進める。初版…
【2014年(110)」 「人間に青山ばかり晩夏光」 幕末の勤皇僧釈月性の漢詩の一節「人間(じんかん)いたるところ青山(せいざん)あり」をベースにして。 「短夜やさ迷い歩くはリア王か」 子供の時に絵本で読んだシェークスピア『リア王』。老王の彷徨と娘コ…
【2014年(109)】 「蜩の鳴き終わるまで座したまま」 蜩が鳴いている。蝉の鳴く声を静かに座って聞いている。季節は変わろうとしている。 「夕焼けに向かって歩く昭和の子」 昭和産まれも20歳台から80歳台まで幅広い。歳月は人を待たず、着実に年を取り高齢…
【2014年(108)】 「八月の森の匂える緑蔭」 森には匂いがある。それは樹木の香り、下草の草いきれ、棲息する生き物の呼吸。緑蔭の豊饒。 「竹の子や大き虚ろを繋ぎゆく」 竹は中が空洞の部屋を幾つも積みあげ、背丈を空へと延ばしていく。空虚の連鎖。
【2014年(107)】 「蝉時雨さらに音量上がりけり」 蝉が鳴く。最後の力をふりしぼって鳴く。生きた証。 「鱗雲竜の胴体その辺り」 空一面にひろがる鰯雲。ああ、それは巨大な竜なのかもしれない。 携帯句会は、M女史から早々と投句あり。ありがとうございま…
【2014年(106)】 「黒傘を闇にさしたり時に雷」 雷がなる雨の夜、傘をさす。夏の景色のワン・ショット。 「夏風邪や生きる痛みの中にあり」 風邪の頭痛も生きている証拠。
【2014年(105)】 「延々と狂気の沙汰や夏旱」 狂気の沙汰はある。いかにも全うな顔をしているから始末が悪い。 「揚花火光に遅れ音聞こゆ」 光速は音速に勝る。花火だけが美しい。
【2014年(104)】 「夏休み子のあれこれを道すがら」 夫婦間の最大の話題は、やはり子供のこと。 「朴葉寿司子鮎三匹現るる」 朴葉寿司は、ふたを開けるのが楽しみ。
【2014年(103)】 「熱帯魚涼を求めし人の波」 「炎天下口を結びて男立つ」 夏の猛暑日を詠んでみました。そのままの句で、説明も解釈もありません。 自宅のパソコンのプリンター設定が上手く接続できなかったが、9日設定完了。Wi-Fi対応となり、やっとすっ…
【2014年(102)】 「八寸の子鮎涼しく置かれたり」 子鮎が泳がんばかりの盛り付けで、懐石料理の八寸として出される。目でも味わう夏料理、お見事。 「白桃の皮を静かに剥いていく」 果汁あふれる桃はデリケートな果物。皮をゆっくり静かに剥いていく。美味…
【2014年(101)】 「南瓜畑緑の海が現れし」 カボチャの緑が畑一面を覆う。それはまるで海のよう。 「願掛けて八幡様の緑蔭」 八幡神社の森の木陰。静謐な時間が流れていく。
【2014年(100)】 「道ならぶ向日葵達の御辞儀かな」 「向日葵や込み合って咲く道路脇」 ひまわりの花で2句。
【2014年(99)】 「熱帯夜泳ぎ疲れて沈みけり」 熱帯夜、暑さで眠れず寝返りを繰り返す。寝室で泳ぐように身体を動かしていたが、やがて疲れて沈むように眠りにつく。 「炎昼に顕る白き足二本」 うだるように暑い真昼、むこうからやって来る女性の生足が透…
【2014年(98)】 「陽炎の立ちたる道を車ゆく」「炎熱の街燃え上がる手前まで」 夏の暑い日を詠んで2句。
【2014年(97)】野分をテーマに3句。 「灰色に天塗り潰し野分来る」 台風一過、抜けるような青空がひろがる。 「青空があまねく包む野分後」「野分後街輝ける朝かな」 携帯句会は、選句メールがどんどん来てます。五藤氏、近氏、K女史、M女史。ありがとうご…
【2014年(96)】 「自転車もぶつかってくる七月は」 一方通行の道路を横断しようとして、自動車の来る方向ばかり見て渡ると反対側から来た自転車にぶつけられた。七月は災難の月。 「道連れとなりて久しき麦茶飲む」 道連れとする大方は、古女房。麦茶を飲…
新潮文庫『教科書で出会った名詩100』購入。一番最初に掲載されている詩が、金子みすゞの「こだまでせうか」。この詩、いいなあ。 『こだまでせうか』( 金子みすゞ)「遊ぼう」つていふと 「遊ぼう」つていふ。「馬鹿」つていふと 「馬鹿」つていふ。「もう…
【2014年(95)】 「蚊取線香白き煙の真直ぐに」 蚊取線香から立ち上る煙。今はもう無煙のものが主流か。 「星流る北辰常に座を変えず」 「北辰常に座を変えず」は、我が母校「多治見北校」の校歌のフレーズ。 携帯句会は、選句メール発信。 今回は6人投句い…