句集『稲津』(81)シャーペンの芯

【句集『稲津』(81)】

鳥の声昨日と違ふ夏の空


山の麓に住んでいるので、鳥の声が聞こえない日はない。今日聞く鳥の声は、昨日聞いたものと違う。鳥たちも同じ所にいるわけではない。広がる空の何処へでも飛んでいける。


旱空シャーペンの芯よく折れる


暑い夏の日、シャーペンの芯がポキポキ折れる。乾燥しているからか、書く力が強すぎるのか。折れる理由は分からぬが、思うように進まぬ仕事に漂う焦燥感。

要介護認定

市役所の高齢福祉課から介護保険の要介護認定等更新申請の書類が送られてくる。受付期間の指定があって期間は一週間。本日会社を休んで申請手続きをする。介護保険証がいるので、預かりとなっている母の入所する施設へもらいにいく。手続き自体は迅速に終わったが、この後認定調査が実施される。コロナで面会自体がままならない現状では、担当者の方は大変だろうなと思う。介護の制度のおかげで母も何とか生きている。ありがたいことだ。


春風や言葉が声になり消ゆる
                   

池田澄子の句。

句集『稲津』(80)立葵

【句集『稲津』(80)】

行く人と背丈並ぶや立葵


会社の前の歩道にある花壇に、初夏には立派な立葵が咲く。立葵は背丈がある花で楽に人より大きくなる。通行人が立葵に見送られて足早に歩いて行く。


つば広の帽子目深く街薄暑


暑くなりそうなので帽子をかぶり外出する。汗ばむほどに気温があがり、太陽光線が気になる。帽子を深めにかぶり直してみる。年々暑くなる夏の本番はこれから。

句集『稲津』(79)観覧車

【句集『稲津』(79)】

観覧車元に戻りぬ夏の雲


刈谷のサービスエリアにある観覧車に乗ってできた句。ゆっくりと観覧車は回り元の位置に戻ってくる。空と雲と観覧車、全部合わせて夏の景色。


本の背を眺めて独り蚊遣香


書斎でも本屋でも図書館でも、ずらりと並んだ本の背表紙を眺めるのが好きだ。なにが書いてあるのだろう。世の中は知らないことだらけ。秘密の花園を覗く喜び。

押尾コータロー

NHK BS4K・BSプレミアム 「生中継!一目千本 吉野の桜」 を見た。番組に出演していたソロギタリストの押尾コータローの演奏に惚れ惚れとし、アマゾンで最新CD『PASSENGER』を注文。12日に届き、ギターの音色を楽しむ。


花散るやギター爪弾く人ありし

句集『稲津』(78)黒ビール

【句集『稲津』(78)】

カモシカも通る道なり青時雨

早朝、通勤で自動車を走らせる道に何か横切るものがある。体が大きいと思ったらカモシカである。道の下にある川へ向かうところだったのだろうか。遭遇したのは初めてのことだった。


黒ビール自分で自分褒めたき日


誰も褒めてはくれないが、よくやったと自分で自分を褒めたい時はある。そんな時は、ビールも普通のラガーではなく、黒ビールに変えて特別感にひたる。

松山英樹

松山英樹が、マスターズ3日目を終えて単独首位。しかも2位との差は4打差ある。否が応でも、日本人初のメジャー制覇の期待が高まる。最終日は月曜日の朝なので決着がつくまで、テレビにしがみ付く訳にはいかないが、ドキドキさせてもらえることは間違いない。いつもより早起きしよう。


初蝶の触れゆく先の草青む


野沢節子の句。