2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

南風(7)

現在の活動は、俳句関係の話題のみの本ブログを毎日更新。12名参加の携帯句会の月1開催幹事。俳句日誌に毎日1句作句。『南風』『俳句』『俳句アルファ』への投句。そんなところかな。自分の力試しに挑戦中。 (南風10月号掲載) 休憩の人すり抜けて巣へ燕 入道…

南風(6)

好きな俳人は、久保田万太郎、阿波野青畝、桂信子、三橋鷹女。 言葉を自由自在に操り俳句が作れたらいいな。 (南風9月号掲載分) 小さきは小さきなりに青蛙 蝉鳴くや光の中へ這い出たる 夏空や紙飛行機は音もなく

南風(5)

眼前に在るものを、感じたままに写し取り、句にしたい。 打座即刻といったのは、上田五千石だったか。 (南風8月号掲載分) 夏来る小鳥のとばす水しぶき 緑陰に自転車の列続きけり 花薊紫こぼしただ独り

南風(4)

俳句独学の最初のテキストが、藤田湘子『新版 20週俳句入門』(角川俳句ライブラリー)。本書の最終週の「これから歩む道」には、(3)俳句専門誌を購読し、その投稿欄に応募して実技を磨くこととある。教えを実践中なのである。 (南風7月号掲載分) 一斉に名乗り…

南風(3)

俳句を始めたのは2012年。3年を一区切りとして、自作1000句と、好きな俳句10000句の収集を目標に掲げた。角川「俳句」などに投句、たまには入選することもあった。俳句歴4年目となるが、自分の俳句は暗中模索の状態にある。いまはただ、ひたすら作句するだ…

南風(2)

「南風」に入会したのは、注目している津川絵理子と村上鞆彦が共同主宰だから。 独学で勉強してきたが、他者の評価で自分の俳句を検討するため。 (南風5月号掲載分) 切り通し春の空へといざなへり さざ波や寒鯉少し動いたか パンジーの顔伏せて咲くもあり

南風(1)

虚子探訪のシリーズも終了したので、少し溜まった俳句を読んでもらおうと思います。 2015年の作品です。 現在『南風』に入会し、投句しているのでその作品から。5句出して掲載は優秀者は4句、私は3句しかとってもらえません。選者は、津川恵理子さん…

虚子探訪(242) 『五百句』ベスト20(下)

【虚子探訪(242)】 昭和時代からは10句。 わだつみに物の命のくらげかな 流れ行く大根の葉の早さかな たけかけてあたりものなき破魔矢かな 凍蝶の己が魂追うて飛ぶ 鴨の嘴よりたらたらと春の泥 顔抱いて犬が寝てをり菊の宿 玉虫の光残して飛びにけり 大いな…

虚子探訪(241) 『五百句』ベスト20(上)

【虚子探訪(241)】 『五百句』の中より、私の好きなベスト20を選んでみた。 明治時代より3句。 遠山に日の当りたる枯野かな 桐一䈎日当りながら落ちにけり 金亀虫擲つ闇の深さかな 大正時代より7句。 一つ根に離れ浮く䈎や春の水 木曾川の今こそ光れ渡り鳥 …

虚子探訪(240) 除夜詣

【虚子探訪(240)】 「観音は近づきやすし除夜詣」 昭和10年12月31日。浅草観音。 浅草観音の除夜詣の景色を詠む。「近づきやすし」は庶民に愛されているという気持ちが込められ、これから参詣人で賑わうことが予想される。 以上で昭和時代211句終了。 ついに…

虚子探訪(239) 寒鴉

【虚子探訪(239)】 「かわかわと大きくゆるく寒鴉」 昭和10年12月12日。七宝会。松本長氏追善。不忍池畔雨月荘。 「かわかわ」は鴉の鳴き声の擬態語。冬木にとまっていた鴉が2~3度鳴いた。鴉の鳴き声が、寒い冬空に響き渡る。松本長は宝生流の能役者で、松…

虚子探訪(238) 水馬

【虚子探訪(238)】 「魚鼈(ぎよべつ)居る水を踏まへて水馬(みずすまし)」 昭和10年7月11日。七宝会。井ノ頭公園茶店。 池の湖面にミズスマシがいる。その足が踏んでいる水の下には、もっと大きな魚や亀がいる。小さなミズスマシが偉そうに見えるなあと思った…

虚子探訪(237) 行々子

【虚子探訪(237)】 「檝(かじ)の音ゆるく太しや行々子」 昭和10年6月24日。玉藻句会。丸ビル集会室。 沼に浮かぶ一艘の舟、檝を漕ぐ音がギイッ、ギイッと力強く大きな音を立て舟はゆっくりと進んでいく。 沼の葦原に巣を作り生息する行々子のギョギョシ、ギ…

虚子探訪(236) 緑陰

【虚子探訪(236)】 「燕(つばくろ)のしば鳴き飛ぶや大堰川(おおいがわ)」 昭和10年5月2日。京都嵐山、花の家。立子と共に。 大堰川(おおいがわ)の上を燕がしきりに鳴き、飛び交っている。大堰川は、桂川の嵐山渡月橋付近から桂橋までの称。 「緑陰を出れば明…

虚子探訪(235) 奈良茶飯

【虚子探訪(235)】 「秋篠はげんげの畦に仏かな」 秋篠寺は奈良時代最後の寺院で780年建立、伎芸天立像が有名。見渡す限りれんげの続く畦道、そして野仏。五月の田園風景、秋篠寺、伎芸天、すべてが秋篠であると虚子は言うのである。 「奈良茶飯出来るに間あ…

虚子探訪(234) 藤

【虚子探訪(234)】 「藤垂れて今宵の船も波なけん」 昭和10年4月26日。石手寺、湧ケ淵吟行。豊阪町亀の井。此夜神戸舟行。 風もなく藤は静かに垂れて、今晩乗る船は波もなく無事な航海となるだろう。「なけん」は古い語法でないだろうの意味。 「旅荷物しま…

虚子探訪(233) 遍路の墓

【虚子探訪(233)】 「船の出るまで花隈の朧月」 昭和10年4月24日。播水招宴。神戸花隈、吟松亭。 花隈は神戸港の発展に伴い花街として栄えたところ。朧にかすんだ春の月に照らし出され、出港までの旅情がただよう。 「道のべに阿波の遍路の墓あはれ」 昭和10…

虚子探訪(232) 春の土

【虚子探訪(232)】 「園丁の指に従ふ春の土」 昭和10年4月4日。みづほ歓迎会。百花園。 中田みづほは、新潟医大の脳外科医である。虚子に師事し、秋桜子、素十らと東大俳句会を結成。俳誌「まはぎ」創刊主宰。百花園の園丁の作業を見ている。春の土は、素直…

虚子探訪(231) 葵の紋

【虚子探訪(231)】 「里方の葵の紋や雛の幕」 昭和10年3月3日。武蔵野探勝会。麻布広尾、近藤男爵邸雛祭。 近藤男爵夫人は伊予松平家から嫁いでおり、雛幕の葵の紋は徳川家の血筋をひくことを示す。 「里方」は伊予であり、虚子にとっても格別の思いがあった…

虚子探訪(230) 藪入

【虚子探訪(230)】 「神慮今鳩をたたしむ初詣」 昭和10年1月1日。午後。鶴岡八幡宮初詣。 参拝の人の列は途切れることなく続いている。その頭上に、新年の青空へ向かって八幡宮の屋根にいた鳩が一斉に飛び立った。鳩は神の使いか、「神慮今」の上5に臨場感が…

虚子探訪(229) 初詣

【虚子探訪(229)】 「神近き大提灯や初詣」 昭和10年1月1日。未明。明治神宮初詣。 『玉藻俳話』には「昭和10年1月1日といってもその前夜、冷たい雨の中を明治神宮へ除夜詣にゆく。灯の入つた大提灯を美しいと思ひながら静かな心持で参詣し、次第に数の増し…

虚子探訪(228) バナナの皮

【虚子探訪(228)】 「川を見るバナナの皮は手より落ち」 昭和9年11月4日。武蔵野探勝会。浜町、日本橋倶楽部。 橋の手摺にもたれて川を見ている人。食べていたバナナの皮が手から落ちた。バナナは夏の季語。 「焚火のみして朽ち果つる徒に非ず」 昭和9年11月…

虚子探訪(227) 木の実

【虚子探訪(227)】 「並べある木の実に吾子の心思ふ」 昭和9年10月22日。玉藻句会。丸ビル集会室。 子供がならべた木の実。何を考えてならべたのかなあと、子供の心を思ってみる。 「秋風や何の煙か藪にしむ」 昭和9年10月27日。鎌倉俳句会。たかし庵。 藪の…

虚子探訪(226)野分

【虚子探訪(226)】 「大いなるものが過ぎ行く野分かな」 虚子60歳。室戸台風が大阪を直撃した当日。鎌倉でも朝から風雨が吹き荒れ、お昼過ぎに止んだ。「大いなるもの」とは、大自然の力、神の意思をいうのであろう。人間はただ過ぎ行くのを待つしかない。 …

虚子探訪(225) 初嵐

【虚子探訪(225)】 「何となく人に親しや初嵐」 昭和9年8月23日。丸之内倶楽部句会。 暦上は秋だが、暑さはまだまだ厳しい。その頃に野分の先駆けのような風が吹いてくることがある。この秋初めてのその風に、久しく忘れていたものに出会ったような懐かしさ…

虚子探訪(224) 黒揚羽

【虚子探訪(224)】 「水飯に味噌を落して濁しけり」 昭和9年7月26日。丸之内倶楽部句会。 ご飯に水をかけてお茶漬けのようにして食べるのが「水飯(すいはん)」で、アクセントに味噌を添えた。当然水は濁る。食の進まぬ夏日のかきこみご飯である。 「黒揚羽花…

虚子探訪(223) 玉虫

【虚子探訪(223)】 「一々の芥子に嚢(ふくろ)や雲の峰」 昭和9年6月15日。家庭俳句会。小石川植物園。 芥子は、花が枯れて数日後に芥子坊主と呼ばれる果実を実らせる。嚢(ふくろ)は、芥子坊主のことをさしている。 「玉虫の光残して飛びにけり」 昭和9年7月2…

虚子探訪(222) 酌婦

【虚子探訪(222)】 「つくり雨降らせふきあげ噴き上げぬ」 昭和9年6月9日。水竹居招宴。田中家。 人口雨を降らせるために、水を噴水のように放水している。その様子が珍しかったのだろうか。 「ふきあげ噴き上げ」とリフレイン。U音の繰り返しが心地よく響く…

虚子探訪(221) 小米花

【虚子探訪(221)】 「四畳半三間の幽居や小米花」 昭和9年4月14日。蜻蛉会。岩倉実相寺に至る。岩倉公遺跡。 小米花は雪柳のこと。春の季語。 「事務多忙頭を上げて春惜しむ」 昭和9年4月29日。発行所例会。丸ビル集会室。 虚子先生、忙しかったのでしょう。…

虚子探訪(220) 雛飾る、ブログ600回❗

【虚子探訪(220)】 「かくれ家をかいま見すれば雛飾る」 昭和9年2月26日。玉藻句会。丸ビル集会室。 滋味で人目を避けているかのような隠れ家を覗いてみると、お雛様が飾られていた。「かくれ家」の雛飾りには、幸福感よりも哀れや寂しさがつきまとう。 「白…