2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

葱坊主

【2014年(66)】 「ほやらあの故郷なまり葱坊主」 「ほやらあ」は「そうでしょう」と同意を求める方言。「らあ」と語尾を引っ張って発音する。 「縁側で一服したる新茶かな」 縁側も、新しい家にはほとんど見られなくなった。住居は密室化しており、開放感…

雨蛙

【2014年(65)】 「雨蛙汝小さく青かりし」 雨蛙、このいとおしき生き物。 「雨水が有象無象が夏の河」 降雨により増水した河。濁流はすべてを呑み込んで流れゆく。

【2014年(64)】 「紫の風やそよぎし薊咲く」 「月光も訪ね来たりし薊かな」 アザミ2句。アザミの紫色が、目にしみるように鮮やか。

起重機

【2014年(63)】 「クレーン車の夏空高く並びたる」 「夏空へ起重機高く荷を揚ぐる」 建設中のビル最上部で活躍する起重機。作業するクレーン車。名古屋駅前の再開発は進む。

子供の日

【2014年(62)】 「お茶碗のごはん大盛子供の日」 子供の日、子の成長を願ってお祝いをする。茶碗によそうごはんの量は大盛に。 「中年や腹の縦横朧なる」 中年になれば腹は出てくる。縦横のサイズが近接する 悲哀。

【2014年(61)】 「太陽の光を浴びて裸なり」「脱衣場もともと人は裸なり」 土岐市曽木町のバーデンパークSOGIへ行く。真っ裸になって思ったことをそのまま句にした。

JAXAのメダカ

【2014年(60)】 「このメダカ本籍宇宙遊泳す」 「天の川泳ぎ来たれるメダカかな」 宇宙航空研究開発機構(JAXA)を見学し、宇宙実験で使われたメダカの子孫を見る。 余談ですが、週刊モーニング 連載中の『宇宙兄弟』面白いね。愛読してます。

五浦温泉

【2014年(59)】 「連鎖せり波の光と囀りと」「海鳴り囀り水平線五浦」 6月に茨城県五浦温泉に宿泊。大平洋を眺望し2句。ホテルから岡倉天心が建てた六角堂も見えた。

5:55 プラットホーム

【2014年(58)】 「5:55プラットフォーム夏は明るい」 午前5時55分、通勤の駅のプラットホームに立つ。冬は真っ暗だが、夏は明るい、 「若葉風観音様のお膝元」 観音像に柔らかな春風。のどかな日和。

ツバメ

【2014年(57)】 「電線にそれぞれの位置ツバクラメ」 「コンビニの入り口の上燕の巣」 ツバメの活動する時季。ツバメは人間の生活に接近している鳥。見たままを詠んだ2句。

青田とオタマジャクシ

【2014年(56)】 「幾筋も緑列なす青田かな」 田植が終わり、広がる水田の美しさ。青田の季語の持つすがしさ。 「田を叩きオタマジャクシがロックする」 田にはオタマジャクシ。跳ねているその様は、シャウトするロックンローラー。

休耕田と筍

【2014年(55)】 「侵略の筍来たる休耕田」「筍と休耕田に対峙せり」「攻め寄せる筍さらに数増せり」 我が家は、稲作を止めてしまい田圃は休耕田になっている。隣り合わせに竹藪があるのて、夏には次から次へと筍が生えてきて、乗っ取りを企てるのである。

薩摩切子

【2014年(54)】 「夏灯し薩摩切子のグラスかな」 夏の夜、薩摩切子のグラスで一杯。たまりませんな。 「浴衣着る娘の丈の伸びしこと」 和装の女性を見ることは少なくなったが、夏の浴衣姿は花火や祭りでよく見かける。いつの間にか、浴衣姿の娘の背が高く…

扇風機

【2014年(53)】 「扇風機首つかまれて出番なり」 夏の冷房の主役は、我が家では扇風機である。押入れから首を掴んで引っ張り出す。 「マンションの窓・窓・窓に夏の風」 マンションに風が吹く様子を句にしたかった。窓に焦点をあててみたが、窓を三つ並べ…

梅雨

【2014年(52)】 「滴りの激しくなりぬ梅雨の傘」 「ワイパーに右往左往の梅雨雫」 梅雨の二句。「俳句アルファ」購入。岸本尚毅の特集記事。この人の俳句は派手さはないが上手いと思う。志向するのは、平明ではあるが、その感動を言葉で簡単には説明できな…

クールビズ

【2014年(51)】 「首筋に風呼び入れしクールビズ」地球温暖化のせいか、最近の夏はやたら暑く、クールビズも5月から開始。ネクタイをはずした爽快さ。 「世の中に少し線引きサングラス」 サングラスかけるのは、キザな奴か洒落者と思っていた。色眼鏡して…

ツブラジイ

【2014年(50)】 「ジパングの色に山変えツブラジイ」 JR岐阜駅の前に立つのが黄金の織田信長像。ジパングの色とはこの黄金色のこと。織田信長が拠点にした金華山は、5月上旬よりツブラジイ(ドングリの木)が開花して山全体が黄金色となる。金華山の名はこ…

麦の秋

【2014年(49)】 「麦の秋知らぬまに生まれ死にゆく」 私が知る知らないに関係なく、今も何処かで誰かが生まれ、誰かが死んでいく。 「後戻り出来ない日々を走馬灯」 宮本武蔵は「我事において後悔せず」と言った。後悔しても仕方がないと、後悔することを…

かくれんぼ

【2014年(48)】 「朝霧や一斉にするかくれんぼ」 朝に霧が立ち込めて前方は見えない。かくれんぼを全員参加でしているみたいだ。 「万緑やその他大勢と仕訳らる」 万緑の季語は、イメージとしては「その他大勢」あるいは「圧倒的多数」、集合体だから個の…

チューリップ

【2014年(47)】 「すぼめたる口開けなさいチューリップ」 娘は口をすぼめて不満顔。何を怒っているのか、笑顔を見せなさい、チューリップの花のように。 チューリップといえば、思い出す句は細見綾子の『チューリップ喜びだけをもつている』、本当にいい句…

春田

【2014年(46)】 「雉三羽歩いてゆきし春田かな」 散歩の途中雉を見た。三羽連れだって田圃を歩いていく。餌を求めての歩行なんだろうか、三羽はどういう関係なのかな。 「水入れし春田に空の移りけり」 田に水が入り、田植に向けて準備がはじまる。田の水…

國田家の芝桜

【2014年(45)】 「芝桜境界線を越えてゆく」「芝桜色香放ちて酔いにけり」 郡上市名宝奥住の「國田家の芝桜」を見に行った。 せせらぎ街道の川向こう約3000㎡の敷地一面に芝桜が咲く様子は圧巻。

若緑

【2014年(44)】 「若緑万の矛先立ちにけり」 松の新芽をさす季語を知らず、松新芽とか松青葉とか表記していたが、松の木は日本人が一番親しい木だから、素敵な季語がありました。 「青芝やアンパンマンの子守唄」 子守唄を今の人は歌うのでしょうか。アニ…

山笑う

【2014年(43)】 「山笑う武井みどりは一歳下」 後輩の武井みどりさんは、豪快な笑い声が印象的な女性です。兼題「緑」で、ふと頭に浮かび作りました。「一歳」は「ひとつ」と読んで下さい。 「歌留多札後ろを向いた人もあり」 歌留多札の絵には何人か後ろ…

グリーンアスパラ

【2014年(42)】 「鯉のぼり緑の風を泳ぎたる」 鯉のぼりが元気よく空を泳ぐ。眩しいほどの山の緑。 「颯爽とグリーンアスパラ並びたる」 新鮮なグリーンアスパラが店頭に並べられている。みずみずしい緑色が食欲をそそる。

蛇苺

【2014年(41)】 「草蔭に静かなるかな蛇苺」 蛇苺はバラ科の多年草で、五花弁の黄色い花を咲かせ、実は赤い。枕草子にも記述されているが、名前でずいぶん損をしている。 「葱畑緑の丈を伸ばしけり」 畑の葱がぐんぐんのびて育つ様子を詠む。葱も植えたば…

口ずさむ歌

【2014年(40)】 「改札を新しき顔四月かな」 4月になると、駅の改札を通る顔触れが、学生も会社員も替わる。新年度が始まったんだと感じる。 「口ずさむ歌みな昭和花野かな」 最近の歌は歌えない。口ずさむ歌は、青春時代の歌謡曲、フォークソング、ニュー…

花びらの飛距離

【2014年(39)】 「しばらくは風の瀬音と花の滝」 通勤路にある石垣に毎年見事な枝下桜が咲く。眼福、眼福。 「花びらの飛距離を競う春の風」 桜の花散る時季は、風がドライビング・コンテストをして楽しんでいるのかもしれない。

桜前線

【2014年(38)】 「桜咲く敷島少し紅さして」 桜の花だけが、国民的な関心事になる。桜が咲くと日本の国が少し紅潮して華やぐ、そんな感じを句にしてみた。 「東へ桜前線足速し」 桜の開花時期が話題になる。桜前線は常に西から東へと移り、やがて北海道へ…

バスルームの唄

【2014年(37)】 「春浅く高校生の髪黒し」 高校生が茶髪で化粧していても、何等おかしくない時代である。 「バスルーム娘の唄か春朧」 不審な物音がすると思ったら、入浴中の娘が歌を唄っているのでした。 携帯句会も8回を数える開催となった。本日選句メ…