2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

卒業後

【2014年(6)】 「ここまでは来た卒業後四十年」 一月に中学校の同窓会があった。小学校、中学校9年間2クラスの付き合いだから、全員よく知っている。1974年3月に卒業してから40年が過ぎ去った。 「背泳ぎすなすにまかせぬ大金魚」 飲み屋に置かれた鉢に、…

どんど焼

【2014年(5)】 「どんど焼焔を見上げ囲みけり」 「どんど焼炎がかたち崩しゆく」 左義長ともよばれる。小正月頃、門松など正月の飾りや書き初めの書を燃やす行事。残った燠で餅を焼いて食べる。

鏡餅

【2014年(4)】 「ひび割れのさらにも増して鏡餅」 「餅数も少なくなりぬ七日かな」 正月は餅を食べる。昔は家族総出で石臼で餅をついたが、今はスーパーでパックされたものでまにあわせている。味気ないといえば味気ない。

年酒

【2014年(3)】 「お正月子どもの増える田舎かな」 田舎は年寄りばかりとなって、子供の数も少なくなっている。それでも正月は、子連れで帰省するので、一時的に子供の声があふれ、賑わしくなる。 「年酒して無病息災よろしかり」 年酒とは賀客をもてなすた…

『俳句』3か月連続佳作入選

角川の『俳句』2014年8月号に 「つくしんぼ本質なんて言われても」 の句が佳作入選。選者は星野高士。6、7月号に続き連続の佳作入選は新記録。 いつも3句を雑詠に投句しているが、他の2句は「東(ひんがし)へ桜前線足速し」「本日は込み合ってます梅の花」 …

初詣

【2014年(2)】 「吉と吉友に出会いし初詣」 地元の稲荷神社へ家族揃って初詣に行く。息子の友人と出会い、引いたおみくじを見せ合えばお互いに吉。正月早々縁起の良いことであった。 「かわらけに御神酒少々初詣」 かわらけに清めの御神酒を注いでもらう。…

新年 2014年

【2014年(1)】〈『萩原』以後 〉シリーズは、2013年に作った句は一部を残して大方紹介したので、一旦中断。新しく【2014年】のタイトルで、今年作った俳句を少しずつ披露していきます。 「初日の出今日の次くる明日かな」 明日という日は、必ず今日の次に…

日めくり

【『萩原』以後(34)】 「日めくりを一枚破り今日にする」 子供の頃、家の柱に地元の信用金庫が配った日めくりが掛けてあった。毎日一枚破って今日の日付けにするのが、子供の仕事だった。日めくりで今日を確認する作業はいいものだ。 「縦半月鼻水垂れて止…

古暦

【『萩原』以後(33)】 「古暦修正テープの白き跡」 カレンダーに予定を書き込んで、スケジュール管理をしている。予定が変更になると修正テープで消して、新しい予定を書き込んでいく。1年終われば修正テープの跡だらけ。人生は予定どおりには進まない。 …

年末演奏会

【『萩原』以後(32)】 「歌声は四方へ向かう年の暮」「麗しき調和の先へ聖夜後」 長女は東京外国語大学言語文化学部中国語学科へ入学し、卒業後は中国語と全く関係ない会社へ就職した。在学中は、『コールソレイユ』という合唱サークルに所属。毎年クリス…

数の子

【『萩原』以後(31)】 「独りにも等しく来たる聖夜かな」 クリスマスをこんなに騒ぐようになったのは何時からか。元々宗教心の薄い国民性と商業主義の宣伝で遊びの一大イベントに化した。クリスマスを何人で過ごそうが意味はない。全ての人に等しく一日は…

松葉蟹

【『萩原』以後(30)】 「松葉蟹鋏を掲ぐ鍋の中」 山陰地方で採れたズワイガニを総称して「松葉蟹」と呼ぶ。鍋物の季節にカニは必須。蟹の鋏部分は肉厚で美味。 「冬の蝿逃げも隠れもせずおりぬ」 冬の蝿、開き直って飛ぶしかない。成りは小さいが、威風堂…

無言劇

【『萩原』以後(29)】 「五線譜を跳ねて躍りし車海老」 生きている車海老が、海水から出され跳ね躍る。その下に五線譜を入れてイメージしてみる。音楽をしているわけではなく、命の条件反射。いきなりのフォルテシモ ! 「寒カラス羽根閉じ歩く無言劇」 カ…

運転士

【『萩原』以後(28)】 「朝の駅息白くして地に落ちず」 冬の朝、駅で電車を白い息を吐きながら待つ。寒さが厳しいほど、息も白さが増すような気がする。 「運転士指差し進む冬景色」 JR東海道線で通勤している。一番前に乗ると運転席が見える。運転士は一…

冬冷

【『萩原』以後(27)】 「冬冷や本日富士のよく見える」 上京する時に、新幹線の車窓から富士山が見えるかどうかは一大事。雨や曇空で富士山の姿を拝めないとなると旅の楽しみも半減してしまう。この日は富士山が、くっきりと美しい姿で眼前に現れたのだ。 …

幼友達 追悼10句

小学校、中学校が一緒で、今も飲み仲間の幼友達が亡くなった。7月6日屋根掃除をしていて転落、病院へ運ばれ手術。手術後、意識を無くし集中治療室にいたが、12日息を引き取った。脳内出血の事故死。56歳は早すぎる。今はただ、悲しいだけ。家族・友人・知人…

指示代名詞

【『萩原』以後(26)】 「あれあれと指示代名詞年の暮」 最近人の名前や物の名前がすぐに思い出せず、代わりに出てくる言葉が「あれあれ」の指示代名詞。歳をとったということか。いや待て、ボケの前兆かもしれない。 「冬籠脂質ばかりとなりにけり」 冬の…

どこでもドア

【『萩原』以後(25)】 「黄泉よかる誰も戻らず冬銀河」 死者のゆく冥土を黄泉(よみ)という。黄泉の世界というのは余程素晴らしい所なのだろう。そこへ行って帰って来た者は、今だかつて誰もいない。 「どこでもドア開けに行こうか掛布団」 「どこでもド…

赤蕪

【『萩原』以後(24)】 「赤蕪寒さもろとも漬け込みし」 第1回の携帯句会の兼題は①赤②青③黄の3題で、信号の色から考えた。発案者は自分。①赤に投句したのが本句。飛騨地方の赤蕪漬けの印象を句にした。 「フグ白子震えているぞ箸の先」 フグの白子を食べよ…

禿げ犬

【『萩原』以後(23)】 「ところどこ禿げ犬となり年の暮」 犬にもストレスはある。部屋飼いをしているが、鼻筋の毛が抜け落ち、てれてれに禿げている。最近は、脇腹の同じ箇所を舐め続けて脱毛してしまった。原因不明だが、ストレスをかけたのは申し訳ない…

白化粧

【『萩原』以後(22)】 「冬の蝶屋根より高く飛びて消ゆ」 冬に飛んでいる蝶がいる。屋根をこえてとび視界から消えた。蝶はどこへもいける。その後のことは詮索しない。 「霜枯や白化粧するキンポウゲ」 キンポウゲが立ち枯れ、花は真っ白となり綿帽子のよ…

冬薔薇

【『萩原』以後(21)】 「ゼロ指して皆定まれり紅葉落つ」「心拍の止まりて涯(はたて)冬薔薇」 叔母が肺炎で亡くなった。74歳だった。 「七人を送りて一人冬に入る」 叔母がなくなり、母は八人の兄弟姉妹の最後の一人となってしまった。

ブログ150回到達

本日の記事で、ブログ150回に到達した。アクセス数も今現在1976件を記録。俳句関係のことだけを書き続けて、よく続いたなあが正直な気持ち。当面の目標を200回におき、がんばろうと思います。150回を記念して、俳句のことを四季に分けて詠んでみました。「春…

冬ざるる

【『萩原』以後(20)】 「年の暮折り返し点はとうに過ぎ」 人生に折り返し点など無い。なぜなら来た方向へ戻っていくことなどないからである。しかし、55歳となりこれからさらに55年生きることができるかと言えば、可能性は極めて低い。やはり人生の半分は…

セールスお断り

【『萩原』以後(19)】 「初霜やフロントガラス占領す」 瑞浪(みずなみ)市に住んでいる。岐阜県東濃地域のほぼ真ん中、山間部なので「雪が多くて大変ですね」などと言われるが、実は雪が降るのは年に数回、雪よりも寒さが厳しい地域である。霜が降りて、…

桜海老

【『萩原』以後(18)】 「桜海老太平洋を連れて来し」 静岡から桜エビが送られてきた。桜エビは、干したものも美味しいが、生エビは格別の美味しさ。桜エビを見ると、頭の中には太平洋がひろがり、口中は唾が溢れて止まないのである。この句は、年賀状に載…

妻籠宿

【『萩原』以後(17)】 「桜葉はすべて穴あき落ちにけり」 落葉した桜の葉を見ると、どれもこれも穴があいた虫食い状態で穴だらけ。桜の葉は、虫にとってはすごく美味なんだろうと思う。 「とりあえず蕎麦と燗酒妻籠宿」 バス旅行で妻籠宿に行った。妻籠宿…

ゴルフ場の紅葉

【『萩原』以後(16)】 「クラブ振る先も後ろも紅葉かな」 ゴルフ場の紅葉を詠む。スコアの方は、紅葉を楽しめるほどの余裕はない。 「はらはらりはらりはらはら葉の落ちる」 落葉の光景をスローモーションで捉えて詠むと、こんな感じかな。 五藤氏より、選…

花水木

【『萩原』以後(15)】 「鶏頭の花重たかり添え木つく」 自らの重さに耐えきれず傾ぐのを防止し倒れてしまわないように、添え木がしてある鶏頭の花に出会った。 「知らぬまに赤き実をつけ花水木」 我が家の庭には花水木が植えてある。花水木は北アメリカ東…

蟷螂

【『萩原』以後(14)】 「座布団に乗りて蟷螂席をとる」 嵯峨野を散策して休憩に茶店に入ったら、席に敷いてある座布団にカマキリが翔んできて、オレの席だと主張する。カマキリの仕草が印象に残りできた句。自分でも気に入り年賀状に載せて披露した。 「石…