2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

百姓貴族

少年サンデーの『銀の匙』がとうとう完結した。主人公の八軒雄吾がロシアの大地に降り立ち、ロシアで養豚をする夢が語られ、長い物語も幕を閉じた。 作者の荒川弘は、コミックエッセイ『百姓貴族』も出していて、最新刊の第6巻帯には「農フィクション漫画!!!…

コート

日毎寒さがつのる。本日は真冬日の寒さと、天気予報がいっている。今シーズン初のコートを着て、防寒対策。通勤の電車でもコート姿が増えている。 ゴーゴリに『外套』という作品があったな。確か岩波文庫で『鼻』とセットになっていて薄い文庫本だった。ゴー…

林檎

同年がおすそ分けですと、リンゴをわざわざ自宅へ届けてくれる。私は不在で、娘が代わりに受け取る。一緒に旅行した福島にいる同年が送ってくれたらしい。吉田兼好の徒然草に、ありがたい友人はものをくれる人だと書いてあったような気がするが思いだせない…

AI俳句

『俳句界』12月号は「AIと作句の戦い」というサブ特集を組んで、AI一茶くんの俳句30句と論考・エッセイを掲載している。作句するのは技術的にも難しくないだろうが、そこから選句するのが難しいらしい。知能というものがどのようなものなのかという秘密が明…

『流寓抄以後』の久保田万太郎

『南風』2019年11月号に掲載された原稿の転載です。 『流寓抄以後』の久保田万太郎 昭和38年5月6日久保田万太郎は、赤貝の鮨の誤嚥下による気管閉塞窒息により享年73才で逝去した。 『流寓抄以後』は、昭和33年8月から昭和38年5月の死の当日までの約…

朝7時、中央道で多治見市を走る途上、大きな虹を見ることができた。しかも、二本の虹である。自然が作り出す荘厳な美、しばし幸福感に満たされる。 虹といえば高浜虚子と森田愛子の俳句のやりとりを思いだす。しかし、虹の俳句で最も好きなのは津田清子の句…

続定年バカ

勢古浩爾の『続定年バカ』(SB新書)を読了。話の結論はわかっているのだが、次から次へといちゃもんをつけてバッサリ切る勢古節が読みたくて、また新刊を買ってしまう。好きにやればいいんだと、元気のおこぼれを分けてもらう。勢古浩爾も72歳、脳梗塞で入…

市田柿

スーパーで市田柿がワゴンセールされていたので買って帰る。市田柿は、長野県南部の飯田市、下伊那郡で作られてている干し柿のブランド名。生産額、出荷量は干し柿業界では日本一である。市田柿というと、縄縛りのすだれ柿が思い浮かぶが、それは宣伝用か自…

虎落笛

虎落笛とは、冬の烈しい風が電線、柵、垣根などに吹き当たりもの哀しい笛のような音を発することをいう。いま無呼吸症候群への対策でCPAPの酸素吸入器を付けているが、酸素を送り込む音を聞きながら、ああこれは夜の寝室の虎落笛ではないかと思う。淋しいと…

私の好きな女性俳人ベスト3

俳壇12月号の特集は「私の好きな女性俳人ベスト3」で、俳人・評論家55人のアンケートである。誰がどの女性俳人を好きなのか興味をそそられる。 ちなみに私の好きな女性俳人ベスト3は、三橋鷹女、桂信子、細見綾子である。自分の俳句を追求してやまない姿勢、…

ホルター心電図

カテーテル・アブレーションの手術後、どうも心臓が落ち着かないので、原因を探るべく、胸にホルター心電図をとりつけ2週間データ集収をすることになる。今日も外部セミナーに参加して聴講していたら胸が閉まるような感じに襲われる。おさまりはしたものの、…

ランウェイで笑って

『ましろのおと』に挟まれているチラシで『ランウェイで笑って』を知る。マンガ大賞、このマンガがスゴイ!、マンガ新聞大賞を連続受賞。パリコレを目指す少女とデザイナー志望の男の子の物語。どんなマンガだと思って読み始めたらスピーディな展開にアッと…

蔵書処分

岐阜市の古書店「徒然舎」にきてもらい、文庫本約16,000冊を売却処分。 文庫はほとんど値段がつかないが、落語関係や水木しげるの漫画を評価したとのこと。 部屋が片付けばよい。もう延々と所有しても場所塞ぎなだけで、最終的にゴミとなるだけ。本を…

神野紗希

神野紗希がすごく頑張っているなあと思うこのごろです。 編集のまとめ役だった『新興俳句アンソロジー 何が新しかったのか』(ふらんす堂)は労作だと思うし、『もう泣かない電気毛布は裏切らない』(日本経済新聞出版社)、『女の俳句』(ふらんす堂)と立…

ましろのおと

月刊少年マガジン連載中の羅川真里茂『ましろのおと』第24巻が出たので、買って電車の中で読む。津軽三味線のマンガである。物語は、祖父松吾郎の残した曲「春暁」をめぐり、澤村雪・若菜兄弟、父親の神木流弦が交錯しながら、その音の継承について物語は展…

添付ファイル

南風メール句会の清記一覧が送信されてきた。ところが添付ファイルが開かない。スマホの機種変更による不具合の発生である。ソフトバンクのショップで開け方を聞くかとも思ったが、「添付ファイルの開け方」で検索して調べると、どうやら設定変更で解決でき…

金子兜太の六十代

金子兜太の『私はどうも死ぬ気がしない』(幻冬舎、2014年)を読んでいたら、それまでは自分の体に自信を持っていたが、六十代になったとたん自信が崩れ去ったという。四度の痛風の発作、歯槽膿漏で歯が抜け、風を引きやすくなり、ぎっくり腰でうごけなくな…

花垣

立冬を過ぎ、寒さを感じる今日この頃。晩酌は、日本酒が旨い季節となりました。 越前の南部酒造場が作る『花垣』、いろいろな種類があるが、棚田米百万石を使用した純米大吟醸が今日の晩酌の友。得も言われぬ旨さ。 杉玉の新酒のころを山の雨 文挟夫佐恵の句…

内田百閒

蔵書の整理をしている。かつて文庫本コレクターであったが、3万5千冊集めてそれ以上は記録をしていない。内田百閒はコレクターアイテムで、旺文社文庫、福武文庫、ちくま文庫と完全蒐集した。旺文社文庫の『百鬼園俳句帖』を引き抜き、読んでみる。俳句は明…

千畳敷カール

本日は晴天、雲一つなき青空が広がる。吟行を兼ねて一人ドライブ。長野県駒ケ根市へ行き、駒ケ岳ロープウエーに乗車。標高2612mの日本一高いところにある千畳敷駅へ。千畳敷カールの遊歩道を1周して、乗り場のレストランで昼食、遠く富士山を見ながら食べる…

メメント・モリ

老人保健施設にいる母を訪問。近所の葬儀の連絡と幼馴染の喪中はがきを渡す。ご近所の訃報は母の一歳下、幼馴染は同年。母は8人兄弟で今や母が1人残るのみ。父も8人兄弟で今は4人残っているだけ。近親者が亡くなって自分が残されていくという気持ちは、当事…

無呼吸症候群

高丘クリニックで月1回の診療。前回の検査入院の結果を聞く。 最も悪いランクに位置してますと宣告を受ける。CPAP療法はやらないと心臓の負担が大きいので、また不整脈になる可能性があるとのこと。それは回避したいので、CPAP療法を続けるとします…

『銀の匙』再開

『銀の匙』と言っても、中勘助の小説ではない。中勘助といっても知らない人の方が多いか。 荒川弘の農業高校を舞台にした漫画『銀の匙 Silver Spoon』の連載が、『週刊少年サンデー』で約1年5ヶ月ぶりに再開された。「最終章」に突入することになり、残り4話…

秋の代表的な植物といえば、やっぱり芒(ススキ)であろう。背も高いし、白い穂先が風に揺れるさまは、秋の物寂しさとマッチして風情がある。ススキはどこにでも生えていて、日本人で知らないという人はいないだろう。 夕闇を静まりかへるすすきかな 加藤暁…

箸置くやうに

昨日は、葬儀に参列。近所の同年の父親85歳、テレビを見た後に、寝室で倒れてそのまま亡くなった。ある意味羨ましい死に方である。その日家に来たハガキは、元いた会社の先輩で母の幼なじみの人が亡くなったとある。まるで知らなかったが、寿命を全うされた…

機種変更

スマホが、容量がいっぱいになったのかサクサク動かないので機種変更をした。 したのはいいが、新しいスマホにまだ慣れないせいなのか上手く使えない。操作に手間取るのでストレスのかかること、おびただしい。使いこなせない自分が悪いのだが、ほんとに疲れ…

石橋辰之助

岐阜市の徒然舎に本の処分の相談に行き、ついでに『定本・石橋辰之助句集』(俳句研究社、昭和44年初版)を見つけ即購入。石橋辰之助は山岳俳句のパイオニアであり、まとまって俳句が読めるのは嬉しい。石橋辰之助は40歳で亡くなっているが生前に5冊の句集を…

紅葉

11月となり、山もいよいよ紅葉の季節となる。季語にある「山粧ふ」である。 家族で香嵐渓へ紅葉狩りに行こうかとの話も出て、中日新聞はちょうど香嵐渓の写真が掲載されている。冬に入る前の季節の最後のはなやぎの時を迎えた。 秋山の襞を見てゐる別れかな …

正岡子規は柿が大好きだった。「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の有名な句を残している。昔はどの家にも柿の木が植えられていて、秋になると竹竿で収穫し,食べきれない分や渋柿を干柿にしたものだ。今や柿など見向きもされず、柿の実は鳥たちの食べるものと…