2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

白き未来

【2015年俳句(143)】 冬の雨息弾ませて走る人 雨の中、白い息をはずませながらランニングする人がいる。 秋霞白き未来の中へ入る かすんであたりは真っ白。未来は視界不良、しかしそれでも進まねばならぬ時がある。

姫路城

【2015年俳句(142)】 姫路城羽根をひろげし寒鴉 冬空は白の広がり姫路城 社員旅行で改修語の姫路城へ行く。白い城壁が美しい世界遺産。 屋根の上に鴉、白と黒の色のコントラスト。 第2句は、姫路城の白色が曇り空へとつながっていく様子。

巨人

【2015年俳句(141)】 冬の夜巨人となりて長き影 巨大な影に自己投影。 立冬の鳴門の潮の白き渦 社員旅行で淡路島へ行く。鳴門の渦潮を、人生で初めて見学。

駒ヶ岳

【2015年俳句(140)】 雪白く縁取りしたる駒ヶ岳 木曽駒ケ岳に雪が降り、白い山脈が姿を現わす。 たちまちに週末が来る冬木立 週末の来るのが早く感じる今日この頃。時間の速さは一定であるのに。

『俳句』4月号 佳作入選

『俳句』4月号に、佳作入選した。 銀漢の下に人生散らばりぬ 選者は、山西雅子。「銀漢」は天の川のこと、秋の季語。

帰り花

【2015年俳句(140)】 青空があればよしとす帰り花 抜けるような青い空があれば、あとは何もいらない。それだけでいい。 柿の木を奪い取りたる蔦紅葉 柿の木に巻き付いた蔦。柿の葉が紅葉し、蔦の葉も紅葉し。

ピアノコンチェルト

【2015年俳句(139)】 訓練の消火器向ける薄かな 防火管理者の講習を受けた。消火訓練で土手のススキに向けて消火器を使う。 寝室にピアノコンチェルト夜長し 眠れぬ夜は、CDでピアノコンチェルトをベッドに横になって聞いている。

半月

【2015年俳句(138)】 天高し木立を抜けて風の道 木々の間を風が吹き抜ける。その上には秋の空。 半月の真下を歩く犬連れて 今日はきれいな半月。月の光を浴びて犬と散歩。

水の色

【2015年俳句(137)】 秋風に漂へる葉の二三枚 風に吹かれ漂うように飛ぶ落葉あり。 朝寒し無色透明水の色 水の色は何色?無色透明、少なくとも水色ではない。

色鉛筆

【2015年俳句(136)】 紅葉描く色鉛筆の淡き色 色鉛筆で紅葉のスケッチ。淡い色彩。 秋の空群青色の果てもなし 秋の空は、どこまでも青く続く。

風邪薬

【2015年俳句(135)】 南天の実の赤々とこぼれけり 南天の赤い実が零れ落ちるかというほど、どっさりなっている。 風邪薬今年も同じものを買ふ 薬はいつも同じものを買う。風邪薬はパブロンゴールドS.

内視鏡

【2015年俳句(134)】 荒き声あげる人あり冬隣 大声で電話の相手に怒っている人がいる。 神無月腹中探る内視鏡 便に潜血反応が出て内視鏡検査を受けた。結果、問題なし。

三者会談

【2015年俳句(133)】 土岐川の三者会談渡り鳥 瑞浪市の真ん中を土岐川は流れている。その中州に三羽の渡り鳥。まるで会談をしているよう。 晩秋の大きな夕日黄身のごと 卵の黄身のような夕日を見た。

虫の闇

【2015年俳句(132)】 眠られぬ時をさまよふ虫の闇 眠れぬ夜がある。聞こえるのは虫の声。 少年に微熱ありけり長き夜 いつまでも少年。熱が少し。夜は長く。

ゴミ出し

【2015年俳句(131)】 表向き裏向き落ちて枯朴葉 朴葉の大きな䈎が道のあちこちにころがっている。 ゴミ出しが週の始まり朝寒し 朝の寒さが気になりだした。ゴミ出しも生活の一コマ。

野良猫

【2015年俳句(130)】 野良猫に見つめられたる花野道 散歩の途中、こちらをじっと見つめる猫がいた。 三日月の端にかけたき思いあり きれいな三日月。先っぽに掛けたい思いがあるのである。

金木犀

【2015年俳句(129)】 金木犀香りの下を研修生 金木犀の木の下を研修生が歩いていく。頑張れ、研修生。 見送りは秋桜の花再検査 健康診断で再検査といわれ病院へ行く。秋桜が見送ってくれた。

布袋

【2015年俳句(128)】 かけぬけるように日暮れて夕紅葉 日の暮れることの早いこと。夕日に照らされた紅葉がやけに赤い。 布袋像大いに笑う秋うらら 笑い顔の布袋像。豪快な笑い、わっはっは。

似顔絵

【2015年俳句(127)】 さやうならはいさやうなら秋の園 帰宅の時間、保育園で交わされる挨拶の風景。 似顔絵を娘がくれし秋麗 娘が誕生日のプレゼントに自筆の似顔絵をくれた。額にいれて飾ってある。

竜田姫

【2015年俳句(126)】 ゆつくりと降りてくるかな竜田姫 緩やかに紅葉の風景へと変わり、秋となって行く。 廃屋を抱きしめにけり蔦紅葉 廃屋を抱きしめるように蔦紅葉が絡まっている。

長袖

【2015年俳句(125)】 秋気満つ今日よりは長袖の服 肌寒さを感じればもう秋。今日から長袖の服に変える。 灯をともし犬と一緒に食う林檎 リンゴは愛犬の好物。家の電灯を点けリンゴを一緒に食べる。

九月尽

【2015年俳句(124)】 過ぎたるはすでに一年九月尽 再就職してちょうど1年が過ぎた。 栗の実がころがつていく坂の道 イガからこぼれた栗の実が、ころころと坂道をころがって行く。

唐黍

【2015年俳句(123)】 秋桜は屋根の高さを咲きにけり 秋桜は結構背丈の高く伸びるものがある。屋根の高さまである秋桜を発見。 唐黍のみごとな粒のならびたる トウモロコシの並んだ粒の黄金の輝き、御見事。

紫式部

【2015年俳句(122)】 諸手突く蟻の姿のまざまざと ころがって地面に両手を突いた。そこに見えたのは、蟻の姿。 秋の園紫式部植え込みぬ 庭に紫式部を買ってきて植える。結構長く楽しめました。

豚カツ

【2015年俳句(121)】 豚カツの脂身白し檸檬汁 豚カツは脂身の部分もふくめ大好物。レモン汁をふりかけ、ソースをかけていただきまーす。 色褪せし時をたたずみ彼岸花 彼岸花が枯れてしまい色あせた姿をさらしている風景。

不法進入

【2015年俳句(120)】 枕替え深き眠りを長き夜 熟睡を求めて枕を変えてみた。よい睡眠がほしい。 カマキリの不法侵入何処より 部屋にカマキリがいた。どこから侵入してきたものやら。

追悼 伊藤清

同年の飲み仲間、伊藤清君が逝き一週間。 追悼の6句。ただただ淋しいだけ。 目覚めれば黒々とあり春の闇訃報告ぐ携帯電話余寒かな鶯の声も聞かずに急ぎたる春嵐行き行きて戻り来ぬ人これきりと花投げ入れて二月尽遺影のみ笑ひ顔なり山椿

グールド

【2015年俳句(119)】 秋曇グールドのピアノ聴き走る グレン・グールドのピアノ曲を聴きながら通勤している。 秋の道ゴミ拾いつつ歩く人 道行く人が、金バサミをもってゴミを拾いながら散歩している。ご苦労様です。

彼岸花

【2015年俳句(118)】 彼岸花不意を突きたる開花かな 彼岸花は突然に咲き、突然に散ってしまう。真っ赤な花弁が、突然現れるのは驚異。 半月に話しかけたし秋の夜 話しかけたくなるような美しい半月。

十三夜

【2015年俳句(117)】 読まぬまま本ばかり増え十三夜 その時は興味を惹かれ買うのだが、ほとんどは読まぬままとなるほうが多い。買って安心してしまうのだろう。 栗拾ふうれしさ今日も貰ひたる 散歩道に栗の実が落ちている。山栗が道にイガとともに落ちている…