2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

囀り

【2015年俳句(58)】 囀りに鴉も低く鳴きにけり 鳥たちの囀りがやかましいほど。カラスが俺も仲間に入れてくれと低い声で鳴いた。 花薊紫こぼしただ独り アザミの花は紫色。単独で鮮やかに咲く姿は、凜として美しい。 2015年も本日で終り。携帯句会の締切日、…

浅蜊汁

【2015年俳句(57)】 筍の処分対象背の高き 休耕田に筍が恐ろしい勢いで生えてくる。背の高い筍は固くて食べられない。 大口を開けて肉厚浅蜊汁 旬の浅蜊は肉厚で本当に美味しい。味噌汁に入れた浅蜊が、ぱっくりと口を開けている。ふはふはと言いながら食べ…

花桃

【2015年俳句(56)】 紅白の花桃空へ噴きこぼる 阿智村では、毎年「花桃祭」が開催される。ピンクと白の花桃が里全体に咲き満ちて、えも言われぬ美しさ。 花桃や桃源郷を小分け鉢 花桃を家に植えようと一鉢購入。庭の南側に植えたが、うまく花は咲くのだろう…

昼休み

【2015年俳句(55)】 尾をたらし鯉幟にも昼休み 風がないので鯉のぼりも尻尾を垂らして休憩中。昼休みである。 青葉山鼓腹撃壌阿智の村 長野県にある阿智村は美しい山村。青葉に山は染まり、人里は花桃の咲く桃源郷。

名乗り

【2015年俳句(54)】 一斉に名乗りをあげて囀れり さえずりのにぎやかなこと。皆一斉に名前を言ったのかな。 絡み合い枝垂れるがまま山の藤 山藤を見たままに句にした。

天道虫

【2015年俳句(53)】 蛙鳴く背中打ちたる雨滴 鳴いているカエルの背中に雨粒が。 天道虫青空従え飛びにけり 空を飛ぶテントウムシ、青空を従えているかのように。 世の中はクリスマス。『俳句』1月号購入。『南風』1月号届く。 携帯句会の「2015自選べスト3…

春休み

【2015年俳句(52)】 天井の木目眺める春休み 春休みは短い。春休が終れば新学年、新たな始まり。ぼんやりと天井の木目を見ながら物思う時節。 回転をしている地球春灯 春のともし灯を見ながら、地球は自転しているんだと思う。

人参

【2015年俳句(51)】 地下茎をはりめぐらして杉菜かな 我が家の庭に杉菜が繁殖。杉菜は地下茎でつながっている。 人参を加えてサラダ華やげる 毎日野菜サラダを食べる。ニンジンの橙色がサラダの色どりのアクセント。

蓮華草

【2015年俳句(50)】 蓮華草境界線の見当たらず 一面すべてレンゲ草。緑がまぶしい。 主なき庭の木々にも新芽かな 空き家の庭に新芽を見つけた。主なくとも自然の営みは続く。

アスパラガス

【2015年俳句(49)】 風そよぐアスパラガスの緑苗 アスパラガスの苗を植えた。うまく育てられず失敗。 若緑天を仰ぎて立ちにけり 松の新芽が空へ向かって伸びている。壮観。

蕗の薹

【2015年俳句(48)】 人肌に燗はつけたり蕗の薹 蕗味噌などをつまみに燗酒で一杯。たまらんねえ。 新緑や切る髪さらに白くなる 散髪をするたびに髪の白さが増えるような気がする。まだ髪の毛があるうちはいいか。

青蜥蜴

【2015年俳句(47)】 青蜥蜴薔薇の木の下潜り抜け 我が家の庭では、蜥蜴はよく見かける。鮮やかな青色の蜥蜴がミニバラの木の下を走り去った。 とぐろ巻き蛇石垣に日向ぼこ 石垣の間から出てきた蛇がとぐろを巻いて日向ぼっこをしている。いかにも気持ちよさ…

葱坊主

【2015年俳句(46)】 草青む上上吉の天下なり 「上上吉」いい言葉だよね。新緑が目に映え、世はこともなし。 葱坊主帽子が欲しくなる日あり 葱坊主だって帽子がほしいと思う日はある。口に出して言わない、いや言えないだけ。

花桃

【2015年俳句(45)】 春風の押し開けてゆく扉かな 風が部屋の扉を開けてゆく。春はもうそこに来ています。 赤と白花桃空へ競い合い 赤色と白色の花桃が空へ向かって妍を競う。むせかえるような一面の花の洪水。

蒲公英

【2015年俳句(44)】 蒲公英に包囲されたる一軒家 春になれば、我が家はタンポポ達の楽園パラダイスと化す。 タンポポの集会場に庭かわる タンポポは結構生命力が強い。庭にタンポポは刈っても刈っても生えてくる。

ランドセル

【2015年俳句(43)】 菜種梅雨硝子の曇拭きにけり 梅雨のガラス窓の曇りを拭き取る。 葉桜の下を混色ランドセル 色々な色のランドセルが葉桜の下を通って行く。

花筏

【2015年俳句(42)】 花筏川流れゆきまた散りぬ 川面を流れて行く桜の花びら。寄り集まって、また散り散りばらばらに。 菜の花や青空三六〇度 菜の花の黄色を軸に青空は全方位に広がっていく。

白帝城

【2015年俳句(41)】 飛花落花時は来たれり来たれりと 時期が来れば花は散る。時節到来と、桜の花々が語るかのよう。 木曽川へ花吹雪けり白帝城 犬山城は別名を「白帝城」という。桜の花びらは風に舞い木曽川へ落ちてゆく。

黄水仙

【2015年俳句(40)】 廃屋のこんなところに黄水仙 昔の作業場が放置され廃屋となっている。その一角に黄水仙が咲いていた。思わぬところでの出会い。 登校の道に一列黄水仙 通勤の途上、小学生が登校する通路に水仙が一列に咲く。美しい春の色どり。

紋白蝶

【2015年俳句(39)】 羽根とめて思案するなり紋白蝶 モンシロチョウの動きが止まった。さて、何処へ行こうか。 御乱心紋白蝶の湧き出でし 庭をフラフラと飛び回るモンシロチョウ。ご乱心状態。

花粉

【2015年俳句(38)】 花粉飛ぶ赤き眼の泣き足りず 花粉症の季節。泣けるなあ。 柊やまぶすがごとく黄花咲く ヒイラギの黄色の花、下に落ちている花粉。

武者幟

【2015年俳句(37)】 六尺に背丈届かず武者幟 私の身長は178cm。一尺は30.3cm。 春眠や嬰児の如く身を丸め 背中を丸めて寝ている。春眠暁を覚えず。

駒ヶ岳

【2015年俳句(36)】 駒ヶ岳春まだ遠く聳えけり 国道19号線を長野県へ向かって行くと駒ヶ岳が見える。山頂は雪、春はこれから。 木曽駒や尾根に残りし斑雪 山頂の雪も溶け出して、いよいよ春が木曽の地にもやってきた。

古時計

【2015年俳句(35)】 永き日やときおり止まる古時計 会社に骨董屋から買ったという大きな掛け時計がある。今も現役選手で動いているが、でも時々は止まってしまうのである。 春の日や葺き替えしたる屋根の上 自宅の屋根をふき替えた。以前の屋根にはスレート…

蓬国

【2015年俳句(34)】 蓬国領土拡大進行中 ヨモギはどんどんと繁殖し、その勢力を拡大中。 春風を分けて電車の走り出す 瑞浪駅でJRの電車がプラットホームから発車するのをみて詠んだ。今年の句のなかでも、できたという手ごたえを感じた作品。

猫柳

【2015年俳句(33)】 雨粒をいくつも弾き猫柳 猫柳の木には、あたたかな感じがただよう。銀白色の花穂を猫の尾に見立てたことからネコヤナギの名がついたと言われている。 春灯ぽつぽつ点くや山の里 山里も夜になり点在する家の灯りが、ぽつりぽつりとついて…

山椒

【2015年俳句(32)】 山椒の小さき葉々や緑濃し 山椒は小粒でもピリリと辛い。山椒の木は小ぶりで、その䈎は小さいが濃い緑色をしている。 二階にもささやいてくる春の水 私の書斎兼寝室は二階にある。家の下を流れる川のせせらぎは春を告げ、外に出て来いよ…

春一番

【2015年俳句(31)】 幾千の言葉も足りず青き踏む 「青き踏む」は春の季語で、草の萌え出た野を歩き楽しむこと。春の到来の喜びは、言葉では言い尽くせない。 春一番忘れた頃の良き便り とっくに忘れていた突然届いたうれしい報せ。春一番が吹く頃のこと。

鞦韆

【2015年俳句(30)】 白梅は朝を含みてひやひやと 白梅が朝の冷気のなか、凜として咲いている。白い花弁を「ひやひや」と感じたままに。 鞦韆の下に揺れたる影ひとつ 揺れるブランコの下には、ブランコの影が常にある。光と影と、全てを揺らし漕ぐブランコ。

送電線

【2015年俳句(29)】 春の風送電線は山綴る 居住する家から見えるのは、屏風山。山脈には送電線が続く。まるで送電線に綴られているかの様。 上に下に雀や雀春の庭 庭先に雀が群れ集い、上に下にと飛び回っている。春が来たことを喜んでいる雀達。