2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

梅雨曇

【2014年(94)】 「濁りたる渦と飛沫や梅雨の川」 梅雨時の川の氾濫する様子を句にしようとした。 「空間に湿り充ちゆき梅雨曇」 梅雨時の曇り空、ジワリと湿っていく感じ。 携帯句会は、ひさしぶりにY女史、今回の出題者M女史から投句ありました。残りの方…

黒き花柄

【2014年(93)】 「燈火下塁々とあり蛾の骸」 蛾は灯りへ集まってくる習性がある。燈火下には、蛾の死骸が山のように落ちている。 「颯爽と黒き花柄夏の道」 黒い花柄のワンピースを着た女性が、颯爽と歩いていった。

露草

【2014年(92)】 「露草を振り向く人の無く暮れぬ」 露草の花は青く可憐で美しいが、野草花で愛玩されることはない。花が咲いていても人は無関心。 「睡蓮や馥郁として開きけり」 睡蓮の花は大柄で豪華。豊かでゆったりとしたイメージがある。 携帯句会は、…

徒然(下)

『徒然』残りの25句です。雪合戦混戦したる放物線 寒日和坊主頭の手術跡 足腰にカイロを入れて春立ちぬ 霞立ち天のぼりゆく春の水 名古屋まで北海道展は春下る 腕まくりラーメン食べる春着の娘 黄水仙色鮮やかに独りなり 春の山頂に城さらに天 駅渡るむこう…

徒然(上)

第60回角川俳句賞に投稿。昨年に続き2回目となる。タイトルは『徒然』とした。2回に分けて発表します。 ユーカリの幹白々と秋澄めり 秋冷をただよう雲の飛行船 今はもう誰も採らざる棗の実 葡萄棚パイプオルガンの音聞こゆ ぼうぼうと唐黍立ちてすがれけり …

『俳句』11月号に2句佳作入選

角川の『俳句』2014年11月号に 「先を行く父が手を振る夏帽子」 の句が佳作入選。選者は星野高士。もう一句、佳作入選。 「果てもなき空一面をみずすまし」 選者は出口善子。 雑誌『俳句』では、選者10名、推薦5句・秀逸10句・佳作73句=88句が1人の選者で選…

株主総会

【2014年(91)】 「総会の儀式は進む夏午前」 6月下旬、株主総会が開催される。大方は、議決権行使書を過半数以上集めているので、提出議案を否決されることはない。会社の最大儀式が、粛々と進行していく。 「短夜や蛍光灯の白き列」 駅のプラットホームは…

濁流

【2014年(90)】 「向日葵にこの世は明るすぎますか」 ヒマワリは、もっとも太陽の光が似合う花。 「梅雨の川濁流全て呑み込みぬ」 濁流は全て呑み込んで行く。

梅雨の夜

【2014年(89)】 「雨音の強まりしかな梅雨の夜」 雨の音を聴いて眠りにつく。 「人消して天地も消して夏の闇」 漆黒の闇があるばかり。

三室戸寺と萬福寺

【2014年(88)】 「紫陽花に埋もれて進む人の波 」 京都宇治アジサイ寺の三室戸寺。5000坪の大庭園に、50種10000株のアジサイが花咲く景色は圧巻。 「布袋樣まん真ん中に日照かな」 黄檗宗の萬福寺。ど真中に鎮座しているのは布袋さま。

宇治平等院

【2014年(87)】 「鳳と凰涼し眼の光かな」 「望月の夜を鳳凰見つめおり」 「木下闇緑寄せ来る宇治の川」 JRさわやかウォーキングで改修が終った宇治平等院を訪れる。鳳凰の見事な像に見とれてしまう。対の彫像は、それぞれ鳳と凰の名を持つ。

金華山

【2014年(86)】 「頂きの城や霞みし金華山」 金華山の頂上にあるのは岐阜城。斎藤道三の居城である。今ある城は、戦後に建てられたもの。 「蒲公英の白くなりたる骸かな」 タンポボの花は、最後は白く枯れてしまう。以外に背丈は伸びる。繁殖力はあるので…

木下闇

【2014年(85)】 「夏暁や陽の射して来る刺しに来る」 夏の朝の日射しは眩しく熱い。窓からさしこむ光に刺されるかのように感じる。 「木下闇封印されし時間あり」 木下闇の言葉は、幻想的なイメージがある。時間が止まってしまうような錯覚の時間。

メドゥーサの蛇

【2014年(84)】 「見るなかれメドゥーサの蛇蠢ける」「擦過音姿を見せず蛇進む」 角川『俳句』の兼題「蛇」へ投句した2句。「メドゥーサ」は、ギリシャ神話のゴルゴン3姉妹の末妹、アテナ神より美しいとの噂が神の怒りをかい、上半身は髪の毛が蛇、下半身…

ブログ250回到達!!

【2014年(83)】 「夏の犬思う存分走りたい」 思いっきり走る爽快感。犬は尚更、走りたい。 「炎昼のブルドーザーが山崩す」 真夏日を、ブルドーザーが開発の活動中。山も形を変えていく。 本日、ブログ250回到達する。次の目標は300回、頑張ります。

律儀者

【2014年(82)】 「爪切ればまた延びてくる夏の雲」 爪はコマメに切るけれど、すぐにまた延びてくる。これも生きている証。 「律儀者水虫今年も顔を出す」 夏になると必ず水虫に悩まされる。来てくれなくてもいいのに、ホントに律儀なんだよなあ、

水芭蕉

【2014年(81)】 「山彦の返す声なし水芭蕉」 山の奥、ひっそりと咲く水芭蕉。 「山一つ影に入れたる夏の雲」 雲の影が山一つ丸々、すっぽりと覆った。

会議室

【2014年(80)】 「会議室仰ぐ扇子の所在なさ」 時間つぶしの会議が進行していく。手持ちぶさたに扇子を仰ぐ。 「十薬に渇と日当たる午後一時」 午後1時日射しはきつい。ドクダミの白い花が鮮やかに咲く。

百草丸

【2014年(79)】 「夏道路うるさきナビを連れにして」 ドライブにカーナビは必需品になった。 「水当たり百草丸を二十粒」 腹痛には、黒色の丸薬「御嶽百草丸」。「征露丸」とともに昔から家庭の常備薬。

投扇興

【2014年(78)】 「日盛りや仰ぐ扇子の追いつけず」「投扇興思い届かずままならず」 「扇」の題で作った2句。「投扇興」は扇子を的に向かって飛ばすお座敷遊び。 パソコンが壊れてしまい、ようやく本日新しいパソコンの設定完了。 ぼちぼちと慣れていきたい…

父の日

【2014年(77)】 「扇風機生ぬるき風もらいけり」 扇風機から来る風が生暖かい。それだけ。 「父の日や白髪頭に俺もなり」 自分が白髪頭になることを想像していなかった。父も祖父も白髪頭だったが。

雲の峰

【2014年(76)】 「青色を塗り込めてゆく夏夜かな」 夏の夜の色は、しみるような青。 「山囲む郷を遥かに雲の峰」 我が故郷は山の中、山の向こうに雲。

蛇来る

【2014年(75)】 「蛇来る大胆にして不敵なり」 蛇の姿を見ることも、最近は少なくなった。 「蜩やかつて山ありこの平地」 山は崩されて平地が出現する。開発とよばれるが、さてさてどうなることやら。

ロシナンテ

【2014年(74)】 「山滴るトンネル抜けて高蔵寺」 JR中央線上りは、トンネルを抜けると雪国ではなく高蔵寺。愛知県となる。 「夏枯れの白馬の騎士とロシナンテ」 ロシナンテは、ドン・キ・ホーテの愛馬。

大黒の笑い

【2014年(73)」 「大黒のゆがんだ笑い汗を拭く」 路傍に祀られている大黒天は笑い顔をしているが、奇妙な顔付き。流れる汗をハンカチで拭く。 「靴脱いで足投げ出して夏女」 通勤電車で、靴を脱ぎ足を前の席に投げ出して座っている大胆な女性を見つける。…

さくらんぼ

【2014年(72)】 「さくらんぼ軸はねているはねている」 さくらんぼの俳句で最初に思い浮かぶのは、高浜虚子の「茎右往左往菓子器のさくらんぼ」。 「えび天のころも大なり夏始」 天丼の旬がいつかは知らない。「衣」の兼題で作った句。

草むしり

【2014年(71)】 「夏芝居次の出番へ衣装替」 「衣」の兼題で作句。元劇団員は、芝居の二文字をみると、今でも心昂る。 「草むしり家内お茶しに出掛けたる」 夏は雑草との戦いの季節でもある。何でもそうだが、まめに手をいれることが、大事。 4日、名古屋…

姫女苑

【2014年(70)】 「今日の日を溢れ咲きたり姫女苑」 群生する姫女苑の白い花が満開。夏が溢れている。 「食欲は毛虫にもあり穴無数」 桜の葉が穴だらけ。毛虫がついて食われてしまったのだ。食欲は、人間だけに限らない。

花野

【2014年(69)】 「夏空へ鳩、鳩、鳩の羽ばたける」 鳩が空へ一斉に羽ばたく様子を詠んだ。 「花野あり名も無きものらひろがれり」 名前も知らない花が、一面に咲き広がっている。

オレンジの吊り輪

【2014年(68)】 「汗臭き車輌となりし夕かな」 気温が上昇、通勤電車が急に汗臭くなり、本格的な夏の到来を告げる。 「オレンジの吊り輪まぶしき夏電車」 白い吊り輪がほとんどだが、オレンジ色もあり夏に似合う。