2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

秋桜

【2015年俳句(115)】 秋桜や無芸の人に夢舞台 何の芸もない我が身なれど、夢の中では舞台にも立つ。 虫の声食う寝る遊ぶ老いてゆく 「食う寝る遊ぶ」はCMのフレーズ、そして人はそれを繰り返しながら、年老いてゆくのだ。

秋刀魚

【2015年俳句(114)】 一心に食べる人なり焼秋刀魚 焼いた秋刀魚を一心不乱に食べ尽くす幸せ。 読み直す子からのメール桐一葉 子供のメールを何度も読み返す、親は子供のことが気になるものです。

でんでん虫

【2015年俳句(113)】 診断の結果もらいし葛の花 健康診断の結果が来る。表示された数値に、うーむ。 少しだけでんでん虫の進みたる ほんの少しの前進。しかし、でんでん虫にとっては大きな一歩であるかもしれない。

道野辺

【2015年俳句(112)】 道野辺に白き芒の揺れ止まず 道に沿い芒が群生し、穂先が風に揺れている。その揺れは止むことがない。 艶やかな栗現るる毬を割り イガを割って、栗の実出現。しかし、栗ってホントに美味いよね。

葉鶏頭

【2015年俳句(111)】 一列に墓標並びて秋澄めり 一列に並ぶ墓標は昔の土葬の跡、一族の歴史。 音信を断ちし人あり葉鶏頭 突然連絡がとれなくなった。何があったのだろう。

鰯雲

【2015年俳句(110)】 虫の音の響きあふれて我が家かな 我が家は、虫の鳴き声でいっぱい。 遠くまで行くんだ今も鰯雲 遠くまで行くんだ、今もそう思っている。

台風

【2015年俳句(109)】 雨音の強き響や野分来る 野分の予兆。雨の音が強くなってくる。 台風のみな持ち去りて晴れわたる 台風がみんな持って行ってしまった。のこされたものは青空。本日、快晴。

新米

【2015年俳句(108)】 新米の白きとぎ汁流しけり 新米の暉くような白い色のとぎ汁、炊き上がったご飯の美しさ。 秋雨にしとど濡れたる稲穂かな 秋雨が稲穂を濡らす。たっぷりと水を含んだ 稲穂がしだれかかる。

日傘

【2015年俳句(108)】 蜩の声落ちてくる日傘かな 日傘の上に聞えるのは蜩の鳴く声。 いちだんと声の大きく虫時雨 蝉の声から、虫の鳴く声に移って行く。もう秋。

刈田

【2015年俳句(107)】 秋初め添付ファイルの開かぬまま どういうわけか添付ファイルが開きません。PCのバージョンが違うのか、まあそんなこともあるさ。 次々に玉手箱あく刈田かな 稲が刈られ、田圃に空間が現れていく:。玉手箱があけられていくみたいに。

カーナビ

【2015年俳句(106)】 カーナビの示さぬところ穴まどひ カーナビは便利だが、すべて案内してくれるわけではない。 山々に冷気ひろがり八月尽 八月が終り、秋の冷気にみたされる。

白内障

【2015年俳句(105)】 新涼や夜の青色さらに濃し 夏の夜の濃いブルーが好きだ。 飼い犬の白内障や晩夏光 我が家の愛犬は白内障。彼も年をとったのだ。

焚火

【2015年俳句(104)】 蜩の声大勢となり九月 九月になれば、鳴くセミも大半は蜩となる。季節が移ろうとしているのを体感する。 焚火する人は齢を重ねけり 焚火をしているのは自分。年を重ねた自分の発見。

新涼

【2015年俳句(103)】 夏の夜開けた扉の先も闇 夜の扉を開けても、そこには闇がひろがるばかり。 新涼や寝室の窓締めて寝る 涼しい。寢室の窓は閉めて寝ないと風邪をひいてしまう。

天道虫

【2015年俳句(102)】 野分の夜風の雄叫び唸り声 咆哮する風。災禍なく通過するのを祈るだけ。 天道虫一粒赤をこぼしたる テントウムシ、その小さな命。輝ける赤。

銀漢

【2015年俳句(101)】 銀漢に一日が果て俳句あり 私に残されたもの、それは俳句。 向日葵や種を残してかがみたる ヒマワリが種をたわわにつけ、自らの重さで傾いている。

喫茶店

【2015年俳句(100)】 女声溢れし避暑の喫茶店 暑さを逃れ涼を求めて喫茶店に入れば、女性客でいっぱい。おしゃべりの声が響き渡る。 昼寝する子の大の字が崩れけり 昼寝をしている子供の大の字が寝返りをうって崩れてしまいました。

鳳仙花

【2015年俳句(99)】 向日葵を抱きしめている夏の闇 ヒマワリ畑に夜が訪れる。ヒマワリたちが闇に抱かれる。 鳳仙花知らぬ間にはじけたり 鳳仙花の花が知らない間に散った。ほとんどのことは知らない間に進んでいく。

帰省の子

【2015年俳句(98)】 それぞれに犬抱き上げて帰省の子 3人の子供たちが、お盆で帰省。愛犬をそれぞれ抱き上げて、ご挨拶。抱き方は各人各様。 夏風邪や全身全霊疲れたる 夏風邪をひく。ほんとに疲れ果てているのを実感する。

向日葵

【2015年俳句(97)】 向日葵の混み合ふ畑かぎろへり ぎゅうぎゅう詰めに咲くヒマワリ畑が、暑さで揺らいで見える。 夏の果疲れし身体横たえる あー疲れた。ゴロンと身体を投げ出すように横になる。

旱星

【2015年俳句(96)】 風死して魚焼き器の油とり 盛夏。魚焼き器を掃除する。 旱星遠くまで行くと別れけり どこまで行くの。ちょっと遠くまで。そんな会話をして別れた。星は空にまたたいている。

空巣

【2015年俳句(95)】 透きとおる光のなかに夏の雲 夏の空は透明感がある。雲にあたる光線のまぶしさ。 夏の風空巣が一つ残りけり 子育てが終り、鳥たちは皆巣立っていった。残されたものは、空っぽになった巣。そこに風が吹き抜ける。

大西日

【2015年俳句(94)】 一日が真赤となりて大西日 沈む夕日は、真っ赤な火の玉。西の空を染め上げる。 汗みずく搾取するだけ搾取され 汗ほとばしる重労働。だが賃金は安い。資本主義社会ということを、ひしひしと感じる日。

わだつみ

【2015年俳句(93)】 わだつみの底漂へる鮃かな 海の底を流離うヒラメ。何を君は思うのか。 旱空こころの底までかわきけり カンカンの旱空、すべての潤いを許しはしない。

謀反

【2015年俳句(92)】 蕗の葉や緑の影を作りたる 蕗の大きな葉の下には、大きなみどりの影がある。 熱帯夜寝返りをうつ謀反謀反 暑苦しい熱帯夜、寝返りを何度しても眠れない。寝返り=謀反、そういうことです。

入道雲

【2015年俳句(91)】 正面に入道雲や胸ふくる 正面に、湧き上がる入道雲。私の胸に何かが満たされていく気持ち。 大暑過ぐ加速するものさせるもの 大暑の日。急ぐもの、そうさせるもの。

迷路

【2015年俳句(90)】 休憩の人すり抜けて巣に燕 燕は子育てに忙しい。休憩時間にくつろぐ人の間を抜けて、巣に餌を運ぶ往復運動。 夏休み迷路に探す出口かな 迷路をさまよう。出口なしというわけではない。だから探して歩くのだ。

ラジオ体操

【2015年俳句(89)】 夏休みラジオ体操に集まる 夏休みといえばラジオ体操。毎日、地区の子供が集まり、子供会から参加賞品も出た。 日曜日大の字になる昼寝かな 日曜日の昼寝、これ最高。

蚊取線香

【2015年俳句(88)】 日本や蚊取線香焚きし家 蚊取線香をたくと、日本の夏だなあと思う。 暑き日や精根つきるところまで 暑い日ざしにバテバテ。精も根も尽きる一日。なぜ、最近の夏はかくも暑いのか。