【自解・萩原67】
「カラオケの上手せつなし蘭の花」
カラオケの滅法上手い人がいる。飲み屋に通いつめて金も随分つぎこんだのだろう。酒場にある哀愁。
「無花果や実をやわらかに結びたる」
イチジクは柔らかな食べ物。好きだ。
「松茸の香りひろがる炊飯器」
松茸ご飯が炊き上がり、松茸の香りが炊飯器の周りにひろがる。
「お疲れの今日をつるりと衣被」
今日一日ご苦労さまでした。衣被をつまみに晩酌。つるりと皮をむく。
「野分あと稲ことごとく倒れたり」
台風が来て、収穫前の田を吹き荒れ、稲は全て倒された。稲が寝てしまうと稲刈りが大変になる。