日めくり

【『萩原』以後(34)】


「日めくりを一枚破り今日にする」


子供の頃、家の柱に地元の信用金庫が配った日めくりが掛けてあった。毎日一枚破って今日の日付けにするのが、子供の仕事だった。日めくりで今日を確認する作業はいいものだ。


「縦半月鼻水垂れて止めどなし」


包丁で縦に半分スパッと割ったような月が出ている。風邪引きの我が身は、鼻水が止まらない。月の光を浴びて早く家に帰らねば。