林ふじを句集 川柳みだれ髪

林ふじを、本名林和子。1926年生。
結婚して娘を一人もうけたが夫と死別。
病弱なため、夫の親族に娘を託し独り東京にもどる。妻子ある男性と恋に落ち、その影響で川柳を始める。
1955年、川上三太郎に師事し句会に初参加。1959年病没、享年34歳。


「子にあたふ乳房にあらず女なり」

「グサグサと突き刺す言葉でも酔へる」

「打臥せの姿勢で何も彼も耐へる」

「まつすぐに歩いて何時もつきあたり」

「ひとりでも歩けるけれど――ひとり」


全156句。粒ぞろいの作品がならぶ。