虚子探訪(137) 蜂

【虚子探訪(137)】

 

「木々の芽のわれに迫るや法(のり)の山」

 

昭和2年3月。新緑の季節、芽吹いた木々が自分に迫ってくるような、傾斜面のきつい山である。

 

「巣の中に蜂のかぶとの動く見ゆ」

 

まあ読んだままである。「蜂のかぶと」は蜂の頭部である。巣の中で蜂が密集してうごめいている光景が想い浮かぶ。