虚子探訪(160)蝗

【虚子探訪(160)】

 

「ふみはづす蝗の顔の見ゆるかな」

 

昭和3年10月。足下が悪いのか、ふみはずしたイナゴの顔は驚いた顔をしていたか。顔を近づけてよく

みないと詠めない句。

 

「秋風に草の一䈎のうちふるふ」

秋の風を感じる季節になってきた。草の一葉がうち震えるように揺れている。