虚子探訪(174) 助炭

【虚子探訪(174)】

 

「秋山や椢をはじき笹を分け」

 

昭和5年9月30日。第2回武蔵野探勝会。多摩の横山。

秋の山道はクヌギの木の枝を掃い、笹の葉を分けて進んでいくのである。山歩きの大変さがよく伝わってくる句。

 

「鉛筆で助炭に書きし覚え書」

 

昭和5年12月8日。笹鳴会。現在の生活では見ない「助炭」がわからない。助炭は、枠に紙を張り、火鉢の上におおって火もちをよくする道具。書くものが近くになかったので、鉛筆で助炭にメモ書きしたのである。